民俗学特殊講義
民俗学の眼で見るということ―

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
長佐古 真也 講師 4 2~4 通年 1

授業の目的・内容

普段、なにげなく行われている慣わしに眼を向けることで、各自が自らを省みる。こうした民俗学の視点を得ることが授業のねらいです。したがって、その内容は、多岐にわたる民俗学の到達点を知識として紹介することよりも、いくつかの限られたテーマに沿いながら、実際に皆さんの身の回りことについて考えることを主眼に授業を進めます。

授業計画

1 ガイダンス、「内省」・「実学」としての民俗学
2 「MINZOKU」ってなんだ/「民俗」のイメージ、典型的な民俗にふれる
3 「MINZOKU」ってなんだ/私たちは、古いしきたりとは無縁か、若者と民俗
4 「MINZOKU」ってなんだ/民俗の諸相、私たちが持つ「民俗」
5 柳田國男と民俗学/「郷土生活の研究」について
6 柳田國男と民俗学/柳田民俗学の方法と特色
7 柳田國男と民俗学/柳田に学ぶべきこと
8 器の世界/私たちの食生活の中にある不審
9 器の世界/なぜ「ご飯茶碗」なのか?
10 器の世界/民俗学の中の「ワン」
11 器の世界/飯ワンの歴史
12 器の世界/「ねえ、お茶しない?」~お茶の民俗学
13 器の世界/お酒の民俗学
14 第1学期のまとめ
15 予備日
16 食べるということ、再び「内省」について
17 生死観と民俗/「死者」という言葉、「人生儀礼」という民俗
18 生死観と民俗/私たちの葬送観、葬式の風景
19 生死観と民俗/葬送に伴う民俗
20 生死観と民俗/墓ってなんだろう、両墓制について
21 生死観と民俗/南西諸島の墓制
22 生死観と民俗/お墓の歴史
23 生死観と民俗/私たちの墓制観
24 生死観と民俗/お墓の将来
25 民具の資料論/なぜ「民具」を扱うのか、渋沢敬三のまなざし
26 民具の資料論/「民具学」という枠組みと民具の「定義」
27 民具の資料論/今、民具に求められるもの
28 民芸運動と考現学
29 まとめに代えて/民俗学という視点を得て
30 予備日
進捗の都合で、各回の授業内容が前後することがあります。

授業方法

講義形式で行いますが、随時、視聴覚教材を用いたり、アンケートなどを行ったりします。

成績評価の方法

レポート:80%(第1学期・第2学期各1回づつ、民俗学を通して自己内省を試みる内容のレポートを課します。)
平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等):20%(アンケー。ト・リアクションペーパーの提出状況および内容)
主に各学期末頃に提出していただく計2回のレポートで評価しますが、講義内で課すアンケート等の提出状況や出席状況を加味する場合があります。

教科書

独自の内容が多いため、配布資料を中心に進めます。参考文献等も配布資料中でご案内します。

その他

教室内の実態を含め、独自の内容を多く盛り込んで講義を進めるため、出席率が低いとレポートの課題趣旨を理解するのが難しくなります。土曜の朝1限の講義ですが、頑張って参加して下さい。第1回目のガイダンスは重要な留意事項について案内しますので、なるべく出席するようにして下さい。