※西洋美術史特殊研究
アルブレヒト・デューラーの芸術:同時代と後世への影響―

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
佐藤 直樹 講師 4 D/M 通年 2

授業の目的・内容

宗教改革時代のドイツを代表する画家・版画家アルブレヒト・デューラーの芸術をその時代背景とともに詳細に検討する。伝統的なデューラー研究だけでなく、2010年以降に開催されたデューラー展(東京、ニュルンベルク、フランクフルトなど)で明らかになった近年の研究成果も紹介する。また、同時代に活躍したドナウ派の活動も検討したい。ドナウ派とデューラー芸術の差異を確認することで、16世紀ドイツのアート・シーンが浮かび上がってくるだろう。さらにデューラーの影響は、同時代のイタリア、17世紀のデューラー・リヴァイバル、19世紀ロマン派と多岐に及ぶ。本講義では、受容問題も含めたデューラー芸術の総体を把握したい。
イラスト1
デューラー《頭をかかえる自画像》紙、ペン、1492−93年、エアランゲン図書館、ニュルンベルク

授業計画

1 ガイダンス
2 アルブレヒト・デューラーの初期芸術
3 自画像について1
4 自画像について2
5 デューラーとイタリア美術1
6 デューラーとイタリア美術2
7 デューラーとネーデルラント美術1
8 デューラーとネーデルラント美術2
9 宗教主題から「受難伝」
10 宗教主題から「黙示録」
11 宗教主題から「十字架を担うキリスト」
12 デューラーと神聖ローマ皇帝マクシミリアン一世の芸術計画1
13 デューラーと神聖ローマ皇帝マクシミリアン一世の芸術計画2
14 幻想と写実1
15 幻想と写実2
16 イタリアにおけるデューラー受容:ポントルモ
17 イタリアにおけるデューラー受容:マルカントニオ・ライモンディ1
18 イタリアにおけるデューラー受容:マルカントニオ・ライモンディ2
19 イタリアにおけるデューラー受容:連作木版画《聖母伝》の影響
20 連作木版画《黙示録》について
21 連作木版画《黙示録》の影響
22 プラハのデューラー・ルネサンス
23 ミュンヘンのデューラー・ルネサンス
24 オランダ、ハールレムのデューラー・ルネサンス
25 19世紀ドイツ・ロマン派にとってのデューラー
26 ドナウ派と風景画の誕生
27 ルカス・クラーナハとデューラー
28 アルトドルファーとデューラー1
29 アルトドルファーとデューラー2
30 デューラーの弟子ハンス・バルドゥング・グリーン

授業方法

原稿を読み上げる講義形式です。毎回パワーポイントで作品を映写し、具体的に検討していきます。多数の作品を映写するので、簡単な略図もノートしてほしい。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):40%(試験はノート持ち込み不可)
第2学期(学年末試験):40%(試験はノート持ち込み不可)
平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等):20%
試験は、まじめに授業を受けていれば解答できる問題です。

参考文献

参考文献は授業中に適宜指示する。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

美術史学専攻でなくてもドイツの美術に興味がある学生は歓迎します。履修に不安がある場合は、初回ガイダンス後あるいは授業後に適宜相談ください。