記録史料学研究Ⅱ
近代日本の公文書と行政機構―

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
熊本 史雄 講師 2 D/M 第1学期 6

授業の目的・内容

 本講では、近現代日本の中央行政機関及び地方公共団体における記録管理システム(作成・処理、施行、保存・廃棄)の歴史的展開を中心に、組織体の構造や性格・機能を踏まえつつ、アーカイブズを理解・評価するための記録史料学の方法と課題の整理を行うことを目標とする。
 さらに、法の整備による公文書管理制度の導入を受けて、代表的な「記録史料」の一つである公文書等を情報資源として保存し、利活用していく上での諸問題についても講じる。

授業計画

1 オリエンテーション(講義の概要、スケジュール、参考文献の紹介など)
2 近代日本の記録管理-制度と運用-
3 戦前日本の記録管理(1)公式制度・内閣
4 戦前日本の記録管理(2)外務省①
5 戦前日本の記録管理(3)外務省②
6 戦前日本の記録管理(4)外務省③
7 戦前日本の記録管理(5)拓務省
8 戦前日本の記録管理(6)陸軍省
9 戦前日本の記録管理(7)海軍省
10 戦後日本の記録管理
11 情報公開制度と記録史料学
12 公文書管理制度と記録史料学
13 地方行政機関の記録管理と組織
14 総括
15 自主研究

授業方法

講義と討論、史料・文献の輪読等を組み合わせつつ進める。

成績評価の方法

レポート:50%(レポートの課題については、授業のなかで指示する。)
平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等):50%

参考文献

中野目徹『近代史料学の射程 明治太政官文書研究序説』、弘文堂2000
小池聖一『近代日本文書学研究序説』、現代史料出版2008
中野目徹・熊本史雄『近代日本公文書管理制度史料集 中央行政機関編』、岩田書院2009
太田富康『近代地方行政体の記録と情報』、岩田書院2010
瀬畑源『公文書をつかう』、青弓社2011
熊本史雄『大戦間期の対中国文化外交 外務省記録にみる政策決定過程』、吉川弘文館2013
他にも適宜紹介する。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。