物理化学特論Ⅱ
光と分子の相互作用の基礎論―

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
岩田 耕一 教授 2 D/M 第1学期 2

授業の目的・内容

電磁波と分子(あるいは物質)との相互作用を古典論と量子論の二つの側面から考える.古典論では、平行板コンデンサを出発点として吸収スペクトルの形状やクラマース・クローニッヒ変換を議論する.量子論では、摂動展開で複数の状態を重ね合わせ、この過程を光学遷移に対応させる考え方を理解する.次に、二準位系のリウビル方程式から光学ブロッホ方程式を導出し、その結果をベクトルモデルで記述する方法を取り上げる.最後は再び摂動展開に戻り、非線形光学過程について解説する.

授業計画

1 平行板コンデンサと誘電率
2 複素誘電率
3 Lorentz模型
4 反射スペクトルとKramers-Kronig変換
5 赤外線吸収とラマン散乱の古典的描像
6 時間に依存する摂動
7 双極子近似と遷移確率
8 密度行列とリウビル方程式
9 相互作用表示
10 光学Bloch方程式とベクトルモデル
11 磁気共鳴
12 非線形光学過程
13 非線形分光法の基礎
14 非線形分光法の応用
15 予備日
式の意味や近似の範囲を確認しながらゆっくりと講義を進める.

授業方法

講義資料を毎回配布する.同じ内容のpdfファイルをWebページに掲載する.

成績評価の方法

レポート:50%
平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等):50%

参考文献

原島鮮『初等量子力学 第16章』、裳華房
霜田光一『レーザー物理入門 第4,7,8章』、岩波書店
Loudon『光の量子論 第1,2,4,5章』、内田老鶴圃
レベンソン・狩野『非線形レーザー分光学 第2章』、オーム社
中山正敏『物質の電磁気学 第4章』、岩波書店
花村栄一『固体物理学 第6章』、裳華房