物理化学特論Ⅴ

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
河野 淳也 准教授
石橋 孝章 講師
山室 修 講師
2 D/M 集中(通年)

授業の目的・内容

今年度は、筑波大学の石橋孝章教授、東京大学の山室修教授に、それぞれ非線形分光学、化学のための中性子散乱について講義をしていただきます。
 
石橋孝章講師
分光学で利用される吸収、発光などの線形光学過程や非線形光学過程を分極を通して記述する方法にふれた後、その応用として界面の非線形分光法(特に和周波発生分光)の原理と実際に関して解説する。
 
山室修講師
中性子散乱法は、古くは磁性研究を中心とした固体物理の研究手法であったが、近年はむしろ化学、生物学、材料科学などの分野で主要な研究が行われるようになってきた。これは、中性子がもつ優れた透過力、水素原子や磁気スピンに対する大きな散乱能、エネルギー空間(運動情報)と運動量空間(構造情報)を同時測定できる特性などによるところが大きい。本講義では、中性子散乱法の基礎を解説するとともに、実際に化学分野で行われている最新の研究を紹介し、中性子散乱法の有効性を示したい。

授業計画

1 分子分極と感受率
2 密度行列をつかった感受率計算
3 1次の感受率と光吸収・発光過程
4 2次の感受率と和周波発生過程
5 界面和周波発生分光法
6 中性子の基本性質
7 時空相関関数と中性子散乱関数
8 中性子散乱法の原理
9 測定装置と実験施設
10 中性子散乱による最新化学研究(イオン液体、水素貯蔵・伝導物質、MOF、触媒、単分子磁石など)

授業方法

講義は集中講義として行います。

成績評価の方法

レポート:90%
平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等):10%

参考文献

Levenson, Kano『非線形レーザー分光学』、オーム社1988

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。