心理学特別研究8
認知と言語―

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
久野 雅樹 講師 4 D 通年 1

授業の目的・内容

「言葉は心の窓である」といった表現にもうかがえるように、言語は人間の心の中核部分にあり、認知心理学における大きなテーマになっています。言葉を聞いてわかる、言葉が話せる、言葉が読み書きできる、言葉を身につける、言葉で考えるといった心の営みは、非常に重要で興味深い「謎」に満ちています。一方で、言語は、知覚、記憶、思考など、心のほかの基本機能とも深い関連をもち、発達心理学、教育心理学、社会心理学など、心理学の多くの分野でも重要なテーマや方法を提供しています。さらに、言語を扱う学問は、哲学、言語学、脳科学、人工知能学など、心理学以外にも様々にあります。この授業では、認知心理学的研究を中心にしつつ、関連する心理学内外の諸学問も取り上げて、言語を中心に認知領域の研究の多様な方法と成果について学びます。

授業計画

1 言語と認知(1):ガイダンス;認知的アプローチと言語研究
2 言語と認知(2)
3 言語と認知(3)
4 言語と認知(4)
5 言語と認知(5)
6 言語と認知(6)
7 言語と認知(7)
8 言語と認知(8)
9 言語と認知(9)
10 言語と認知(10)
11 言語と認知(11)
12 言語と認知(12)
13 言語と認知(13)
14 言語と認知(14)
15 言語と認知(15)
16 言語と認知(16)
17 言語と認知(17)
18 言語と認知(18)
19 言語と認知(19)
20 言語と認知(20)
21 言語と認知(21)
22 言語と認知(22)
23 言語と認知(23)
24 言語と認知(24)
25 言語と認知(25)
26 言語と認知(26)
27 言語と認知(27)
28 言語と認知(28)
29 言語と認知(29)
30 言語と認知(30)
受講者と相談して具体的な内容を決める。

授業方法

受講者の状況に配慮してトピックや教材を決め、講義、演習を行う。

成績評価の方法

レポート:30%(自身の見解を適切に織り込んで、論理的な考察をまとめること。)
平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等):70%(授業に参加し、理解を深めること。)

教科書

必要に応じて、教科書の利用を検討します。

参考文献

スティーブン・ピンカー(Steven Pinker) 椋田直子(訳)『言語を生みだす本能(上・下)』(NHKブックス)、日本放送出版協会1995年、ISBN=9784140017401
スティーブン・ピンカー(著) 幾島幸子・桜内篤子(訳)『思考する言語(上中下)』(NHKブックス)、日本放送出版協会2009年、ISBN=9784140911303
レイ・ジャッケンドフ(著) 水光雅則(訳)『2004 心のパターン:言語の認知科学入門』、岩波書店2004年、ISBN=4000053868
酒井邦嘉『言語の脳科学』(中公新書)、中央公論新社2002年、ISBN=4121016475
今井むつみ『ことばと思考』(岩波新書)、岩波書店2010
Harley, T. A., The Psychology of Language: From Data to Theory. 4th ed., 4th ed. Edition, Psychology Press, 2013, ISBN:1848720890
Eysenck, M. W., Fundamentals of cognition., 2nd ed. Edition, Psychology Press, 2012, ISBN:1848720718
Aitchison, J., Words in the mind: An introduction to the mental lexicon., 4th ed. Edition, Wiley-Blackwel, 2012, ISBN:0470656476
授業中に適宜、紹介します。

その他

・なによりもまず好奇心と意欲。言語を不思議だな、おもしろいな、と思う素朴な心を大切にしてください。
・言語のような話題は、日常経験とからめやすいし、認知、教育、発達、社会、臨床など、他の心理学領域とも深い関連をもっています。その「つながり」に眼を向けるようにしましょう。
・教室での授業を補うために、必要に応じて電子メディアを利用します。
・メール連絡先:hisano@hc.uec.ac.jp