○市民と法
民訴法及び民法に関する最高裁判例に学ぶ―

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
平野 眞由 講師 4 1~4 第2学期週2回
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授業概要

 1日3時間(1限及び2限連続)の授業では、基本的に、2つの裁判例を扱う予定である。 裁判例の検討方法の基本は、まず「紛争事実」を説明し、次に関連法の「法条」を解説し、以上を踏まえたうえで、紛争事実を法条に具体的に「当てはめる」作業を授業中に受講者自ら行ってもらう。 
 1日長時間の連続授業となるので、「復習や議論」の時間を授業中に設けてみたいし、授業時間内での「論述」試験を頻繁に行う予定である。
 
 なお、前記授業方式を本格採用するのは初めてであり、受講者の希望・要望等を聴き、柔軟に、内容等も踏まえた変更の可能性も存在する。

到達目標

1 紛争事実の理解をつうじ、「現実社会」をより広く学べる。
2 裁判例の検討をつうじ、法適用による問題解決の「基本作法」が学べる。
3 「他人の視点」にふれ視野を広めたり、他人へ「伝える」訓練ができる。

授業計画

1 弁護士による代理 -双方代理
2 補充送達の効力
3 訴訟上の証明 -ルンバール事件
4 相手方の主張立証の必要 -伊方原発事件
5 文書提出命令 -自己専利用文書
6 文書成立の真正の推定
7 弁護士会照会
8 損害賠償請求訴訟の訴訟物
9 再審事由と補充性
10 弁護士による代理 -懲戒処分
11 訴えの取下げと再訴の禁止
12 時効完成後の債務承認
13 抵当権に基づく妨害排除請求
14 公務員に対する国の安全配慮義務
15 詐害行為取消権の性質
16 離婚に伴う財産分与・慰謝料支払合意と詐害行為取消権
17 差押えと相殺
18 夫婦相互の日常家事代理権と表見代理
19 有責配偶者の離婚請求
20 内縁の解消と財産分与
21 遺産分割協議と詐害行為取消権
22 遺留分減殺請求権を債権者代位権の目的とすることの可否
23 質疑応答①
24 質疑応答②
25 自主研究①
26 自主研究②
27 予備日①
28 予備日②
29 試験予備①
30 試験予備②
 前記のとおり、受講者に具体的聴取のうえ、授業計画を変更する可能性もある。 特に、授業後半の民法分野では、検討裁判例の選択に大きく依拠している『判例百選』(有斐閣)の改訂出版もあるようなので、取扱裁判例の変更の可能性は高い。

授業方法

 「講義」を基調に、随時、「授業時間内でのワーク(グループ、個人)」や試験等を行い、法学の基礎が身に付く授業を実践する。
 なお、授業出欠に関わる提出物等は、「すべて」黒又は青の「ボールペン」を使用して行うこと(鉛筆又はシャープペンシル等、その他は不可。)。

準備学習

1 事前に、毎週配信予定のG-Port登載『レジメ』に、必ず目をとおしておく。
2 『レジメ』に記載される法条を、必ず分析しながら読んでおくこと(後記『デイリー六法2015』等が有用である。)。

成績評価の方法

平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等):100%(出席率(最重視)、授業中試験結果、授業運営支援、授業態度等、日常評価)
 授業出席は成績評価の前提要件であり、本授業は非常に厳格であるので、始めから全回出席できないことが判明しているようであれば、単位取得は難しいと考えて欲しい。 遅刻は基本的に減点、公欠扱い等も基本的に一切ない。
 成績評価は、出席を重視するように、「継続」して最後まで「真面目に」やりきる、日常の勤勉性や努力を最重要視する。 長期の安定した「積重ね」を大切にしている。 一時の良さだけで、本授業の成績評価が決まってしまうことはあり得ない。 日頃の授業支援や運用協力にも、加点評価を付与する予定である。
 
 なお、板書・ノートサポーターを募集する。 但し、サポーターは集合授業回「全回出席」が必須条件である。 全回授業分のノート・コピー(コピー費用等はサポーターの自己負担となる。)は、最終回授業後30分後までに、提出場所等の指示に従い、提出されたい。 特典としては、成績評価上の加点となることもある。

教科書

長谷部由起子ほか『デイリー六法』平成27年版、三省堂2014

参考文献

長谷部由起子ほか『法の世界へ』(アルマ)第6版、有斐閣2014

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

 法知識ゼロを前提に学習する。 したがって、法学科以外の受講者も、前記の条件を満たすのであれば、受講を大歓迎する。 しかし、受講条件や制約が厳しい授業である。 本授業が各自に適合するかは、十分に検討して受講を決断いただきたい。
 
 第1回等の授業において、授業担当者との連絡等に必要な電子メールアドレス等を伝える。 成績評価等も厳しい授業である。 しかし、毎回、出席価値がある、有意義な授業を提供する。
 なお、授業での撮影、録画、録音等は固く禁じている。 約束違反の場合には、厳正に対処いたしたい。