宗教の現在

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
林 東洋 講師・他
4 通年 2

授業概要

幕末以降に誕生した新宗教は、多少の侮りの意味もこめて〈新興宗教〉あるいは〈擬似宗教〉などとよばれることもあった。しかし、時の試練に耐えて生き延びた各教団は、現在では看過できぬほど大きな社会的影響力を有している。また、新宗教の活動に刺激を受けた既成の伝統宗教も、それぞれ再生の道を模索している。
本講義では、日本を含む東アジアから広く世界にいたるまで、各宗教の実情を確認しながら現代における宗教のあり方を多面的に検証していく。さらにそれらの考察を通して、人間とは何か、また人間の心とはどのようなものかという普遍的な問題にも言及していくことができれば最上である。

到達目標

現代の日本においては、宗教について正面から論じられることは少ない。また特定の宗教組織に所属しない人の比率も高いといわれる。しかし、自分は無宗教だと認識している人でも〈お盆〉や〈初詣で〉などの際に宗教的行動をとることは少なくないし、世界全体でみれば宗教にまったく関わりを持たない人間は少数派なのである。自分自身が明確な信仰を持っているか否かにかかわらず、我々は今後の人生において幾つもの宗教儀礼に参加するであろうし、宗教を自覚的に信仰する人々と接する機会もあることだろう。
また、大学という研究・教育の場における、いわゆる〈カルト〉の勧誘も問題となって久しい。宗教に対してどのような態度で接するべきか、我々ひとりひとりが自身に問う必要に迫られているのである。
本講義を通じて様々な宗教について知り、研究者の見解に触れることによって、受講生が宗教に対する広く深い視野を涵養することを願っている。

授業計画

1 4/11 ガイダンス 学習院大学講師 林東洋
2 4/18 現代宗教への視点 國學院大學教授 井上順孝
3 4/25 〃
4 5/2 〃
5 5/9 現代日本の仏教 学習院大学講師 林東洋
6 5/16 〃
7 5/23 〃
8 5/30 〃
9 6/6 神道の現在 学習院大学講師 林東洋
10 6/13 〃
11 6/20 〃
12 6/27 日本の民俗宗教 沖縄県立芸術大学付属研究所共同研究員 三島まき
13 7/4 〃
14 7/11 〃
15 7/25 予備日
16 9/19 文学と宗教 早稲田大学日本宗教文化研究所招聘研究員 平沢卓也
17 9/26 〃
18 10/3 〃
19 10/10 韓国の現代宗教 東京外国語大学教授 丹羽泉
20 10/24 〃
21 11/7 〃
22 11/14 グローバル化とイスラーム 東洋大学国際哲学研究センター客員研究員 小野純一
23 11/21 〃
24 11/28 〃
25 12/5 日本人とキリスト教 学習院大学講師 林東洋
26 12/12 〃
27 12/19 〃
28 1/9 〃
29 1/16 まとめ 学習院大学講師 林東洋
30 1/23 理解度の確認
学外の講師の都合によって講義の順・内容が変更されることがある。掲示その他による伝達事項に注意すること。

授業方法

講義形式が原則であるが、各分野の専門家に協力を依頼しているので、各講師によって授業の進め方は様々である。(なお、この講義の各回の内容は、基本的には前年度とほぼ同一である。)

準備学習

各回の担当講師により、予習や復習が指示されることがある。

成績評価の方法

第2学期(学年末試験):100%(各講師が出題した問題の中から一つを選択し、所与の内容について論じてもらう。)

参考文献

諏訪春雄編『現代日本の宗教事情』(遊学叢書)、勉誠出版1999年、ISBN=9784585040613
井上順孝ほか編『新宗教 教団・人物事典』、弘文堂1996年、ISBN=9784335160288
このほか必要に応じて、各講師から参考文献が紹介される。