ドイツ語R(中級)3
『モモ』を読む―

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
川口 眞理 講師 2 通年 1

授業概要

ミヒャエル・エンデの『モモ』は、40年以上も世界中で愛されるドイツ・ファンタジー文学の名作です。本授業ではその『モモ』の原書を抜粋で読みます。平和な町に突如現れ、人々から時間と心のゆとりとを奪っていく時間泥棒たちと、友達を守るべく彼らに立ち向かう少女モモとの戦いを追いながら、効率主義に走る現代社会に懐疑的な眼差しを注ぐエンデの世界に触れます。まずはエンデやモモを紹介する短いテキストを素材に基本的な読解スキルを学び、それから原文に挑みます。適宜文法の復習・補足練習も取り入れ、また映画化作品もときどき鑑賞する予定です。

到達目標

一年間しっかりと取り組めばドイツ語検定3~2級程度の読解力が身につくでしょう。

授業計画

1 ミヒャエル・エンデと『モモ』について解説
映画化作品の一部を鑑賞し作品世界のイメージをつかむ
2 読解練習-1(エンデの紹介プリント)
発音の確認
コンマやプンクトを手掛かりにテキストを文に分ける
3 読解練習ー2(エンデの紹介プリント)
動詞と主語をさがす
動詞を辞書で引き、文型を確認する
4 読解練習ー3(『モモ』の紹介プリント)
定動詞の位置から主文と副文を見分ける
副文のタイプを見分ける
5 読解練習ー4(『モモ』の紹介プリント)
前置詞句を見分け、その用法を見抜く
6 原典輪読 第1章 文法プリント(過去形)
7 原典輪読 第1章
8
9
10 文法プリント(接続法第Ⅱ式)
11 原典輪読 第6章
12
13
14 理解度の確認
15 予備日
16 映画化作品の一部鑑賞
文法プリント(接続詞のいろいろ)
17 原典輪読(参加者の希望箇所)
18
19
20 文法プリント(従属の接続詞)
21 原典輪読(参加者の希望箇所)
22
23
24 原典輪読(参加者の希望箇所) 文法プリント(分詞)
25 原典輪読(参加者の希望箇所)
26
27
28
29 理解度の確認
30 予備日

授業方法

輪読形式で進めます。一冊すべてを読破することは難しいので、参加者の読みたい箇所を選びながら進めていきます。読み方のスキルを学ぶ前半は精読を心がけますが、慣れてきた後期には逆に単語や文法が100%わからなくてもとにかく読み進める面白さを目指したいと思います。

準備学習

「今の自分でわかるところまでは調べた上で授業に臨む」ことが大切です。自宅では、まず最低二度は音読し、原文をノートに書き取り、それぞれの文の主語と動詞を確認し、未知の語彙はまずは動詞から調べ、その文の意味的・文法的アウトラインを掴むよう心がけましょう。その丹念な作業がある程度蓄積されたとき、ある時点から自分で読む喜びに変わります。授業では上記の作業を前提に「ここまでやってみたけれどもまだわからない」部分をわかるようにするための解説を加えていきます。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):30%(授業で読んだ範囲内からの出題となります。)
第2学期(学年末試験):30%(試験範囲の一部に、授業で読んでいない箇所からの出題(実力テスト・辞書使用可)を含みます。)
小テスト:10%(不規則動詞の三基本形など、語彙力増強の小テストを適宜行う予定です。)
平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等):30%(三分の二以上の出席を前提に、毎回の予習の質や意欲を評価します。)
各学期末の試験と小テスト、平常点(出席状況と予習の質、授業への参加姿勢)で評価します。各学期の授業の三分の一を越える欠席は期末試験の受験資格を失います。

教科書

Momo Schulausgabe mit Materialien, 1st Edition, Thienemann Verlag, 2005, ISBN:9783522177832

参考文献

中島悠爾・平尾浩三・朝倉巧『必携ドイツ文法総まとめ』改訂新版、白水社
初級以上の細かい文法事項を確認するために授業中使用する予定。
毎回授業に持参してください。

履修上の注意

履修者数制限あり。
第1回目の授業に必ず出席のこと。