知的財産法演習
知的財産法の模擬法廷―

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
横山 久芳 教授 4 3~4 通年 5

授業概要

最近、新聞、テレビ等で「知的財産法」という言葉を聞かない日はない。それほどに知的財産法の社会的重要性は高まってきている。将来、学生の皆さんがどのような職業に就くにしても、知的財産法の基本的な知識を習得しておくことは決して損にはならないであろう。とはいえ、知的財産法の教科書を読んだり講義を聴いたりしただけでは、なかなか具体的なイメージが湧いてこないのではないかと思う。そこで、本演習では、学生の皆さんに実際の裁判例を素材とした模擬裁判を行ってもらうことにより、学生の皆さんが知的財産法に親近感を持ちながら、知的財産法に対する理解を深めていくことができるようにすることを目的としている。また、本演習では、模擬裁判におけるディベートを通じて、学生の皆さんがプレゼンテーション能力、ディスカッション能力を習得することをも目的としている。

到達目標

模擬裁判を通じて知的財産法に親近感を持ちながら、知的財産法の知識の定着及び理解の深化を図ることができる。
模擬裁判におけるディベートを通じて、プレゼンテーション能力、ディスカッション能力を習得することができる。
模擬裁判終了後の判決の作成を通じて、論理的な文章を書く能力を獲得することができる。

授業計画

1 イントロダクション(著作権法概説①)
2 イントロダクション(著作権法概説②)
3 模擬裁判
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14 第1学期のまとめ
15 予備日
16 イントロダクション(商標・不競法・特許法概説①)
17 イントロダクション(商標・不競法・特許法概説②)
18 模擬裁判
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29 第2学期のまとめ
30 予備日
本年度は、第1学期に著作権法、第2学期に商標法、不正競争防止法、特許法に関するケースを扱う。

授業方法

演習では知的財産法に関する模擬裁判を行う。演習の活動は基本的に班単位で行われる。毎回、各班の中から、原告・被告・裁判所を担当する班を選出する。原告・被告担当班は予め準備書面を作成して、模擬裁判当日ゼミ生全員に配布する。模擬裁判は、裁判所担当班のイニシアティブにより進められる。また、裁判所担当班は、模擬裁判当日の弁論の内容を踏まえて判決文を作成し、次回のゼミの冒頭でこれを読み上げる。それ以外の班は、オーディエンスとして、模擬法廷を傍聴し、各論点についての質問や意見・感想を述べる。担当教員は、模擬法廷の最後に、当該事案の争点についての解説・取りまとめを行う。

準備学習

参加者は毎回配布される判例を読んでくることが必要である。
模擬裁判において原告・被告を担当する班は、関連する裁判例や文献の調査を行い、主張内容をレジュメにまとめることが必要である。
模擬裁判において裁判官を担当する班は、模擬裁判終了後、次回の演習までに判決文を作成することが必要である。

成績評価の方法

レポート:30%
平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等):70%(出席、演習中の発言内容、グループ作業の成果)

教科書

大渕哲也他『知的財産法判例集』第2版、有斐閣近刊

参考文献

中山信弘他編『特許判例百選』(別冊ジュリスト209号)第4版、有斐閣2012
中山信弘他編『商標・意匠・不正競争判例百選』(別冊ジュリスト188号)、有斐閣2007
中山信弘他編『著作権判例百選』(別冊ジュリスト198号)第4版、有斐閣2009
田村善之『知的財産法』第5版、有斐閣2010
土肥一史『知的財産法入門』第13版、中央経済社2012
高林龍『標準特許法』第5版、有斐閣2014
島並良他『特許法入門』、有斐閣2014
島並良他『著作権法入門』、有斐閣2014
各種参考文献について詳しくは初回のオリエンテーションで指示する。また、演習で扱う判例は、毎回、全文コピーを配布する。

履修上の注意

履修者数制限あり。(20名)
第1回目の授業に必ず出席のこと。