産業組織論
理論と実証―

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
西村 淳一 准教授 4 2~4 通年 2

授業概要

産業と企業の経済分析に関する主要なトピックについて講義する。現代の産業経済の構造と変化を理解するために必要な基礎理論をデータ分析や事例で補完しつつ紹介していく。

到達目標

受講生が産業組織論の基本的な知識を習得し、それを用いて経済事象を考察できるようになることを到達目標とする。本講義は応用ミクロ経済学の入門レベルを想定しており、産業組織に関する幅広い分野を紹介し、学生に興味をもってもらうことも目標とする。

授業計画

1 産業組織論の導入と講義概要の説明
2 産業分析の基本概念の復習(1):企業の利潤最大化行動、収入、費用
3 産業分析の基本概念の復習(2):需要、供給、市場均衡と総余剰(経済厚生)
4 市場構造と独占のモデル
5 寡占のモデル(1):クールノー・モデル、シュタッケルベルグ・モデル
6 寡占のモデル(2):ベルトラン・モデル
7 参入の経済効果(1):参入の定義、参入の経済効果
8 参入の経済効果(2):コンテスタブル市場、独占的競争、参入と産業のライフ・サイクル
9 市場構造、市場支配力と市場成果
10 カルテル
11 価格差別(1):価格差別の意義、第一種価格差別、第三種価格差別
12 価格差別(2):第二種価格差別
13 製品差別化
14 広告
15 まとめ
16 戦略的参入阻止行動
17 企業の本質
18 多角化
19 垂直統合
20 合併(1):企業結合の定義、合併の理論、合併の経営成果
21 合併(2):独占禁止法と合併
22 国際化
23 技術変化とイノベーション
24 研究開発と生産性
25 企業規模、市場構造と研究開発
26 特許制度とイノベーション
27 ネットワーク外部性と標準
28 規制とその改革
29 競争政策と独占禁止法
30 まとめ
講義計画は暫定的なものであり、1学期と2学期にそれぞれゲスト講演を1回行う予定である(今年度は製薬産業の方と公正取引委員会の方を予定)。

授業方法

講義形式
パワーポイントを用いて講義を行うが、資料は穴埋め形式になっている。

準備学習

予習は必須ではないが、復習はできるだけ毎週30分~1時間程度行うことが望ましい。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):45%
第2学期(学年末試験):45%
平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等):10%
試験とゲスト講演への出席点または発言点にて評価する。ゲスト講演の内容も試験範囲である。

教科書

特定の教科書は用いない。

参考文献

最初のガイダンスで指示する。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

基礎ミクロ経済学の知識があると望ましい。
第2回と第3回の講義で必要な基礎知識については復習するので、不安な学生は必ず出席すること。
 
また、理論と実証分析の対応にも触れるので、統計学や計量経済学の基礎知識もあると望ましい。
ただし、実証分析は学生に関心をもってもらうために紹介するものであり試験範囲外とする。
 
要求される数学の知識であるが、基本的な四則演算と微分の知識があれば十分である。
他に必要な知識があれば講義中にて説明する。
 
教員のオフィスアワーは月曜の2限(10時40分~12時10分まで)である。