経済学特殊講義(エネルギー・環境政策)

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
矢島 正之 講師 4 2~4 通年 3

授業概要

エネルギー・環境政策の柱であるエネルギーセキュリティの確保、エネルギー市場自由化、およびエネルギー起源の環境問題への対応に関して、理論的な考察とともに、最新動向を踏まえた豊富なケーススタディを行うことで、エネルギー・環境問題への理解を深める。具体的には、エネルギーセキュリティの確保に関して、内外の政策動向、最近の国際資源問題とエネルギーセキュリティ政策の新たな考え方などを考察し、燃料の安定的な供給をいかにして確保するかについて理解する。エネルギー市場自由化に関しては、内外の市場自由化の経緯と現状を考察した後、わが国における今後の展望を行う。また、エネルギー起源の環境問題への対応では、温暖化防止政策の基礎を学び、内外における最近の温暖化防止政策動向を展望し、エネルギー政策と環境政策の整合性確保のあり方について考察する。

到達目標

エネルギー・環境政策の3本柱であるエネルギーセキュリティ政策、自由化政策、環境政策について、理論と実態について学び、我が国における今後のエネルギー・環境政策の在り方について自らの見解を持ち、自らの言葉で説明できるようにする。

授業計画

1 イントロダクション
2 エネルギーセキュリティ確保に関する理論的考察
3 1次エネルギー市場とエネルギーセキュリティ
4 エネルギーセキュリティの指標と手段
5 国際的政策動向(その1:世界動向概観、 IEA、EU)
6 国際的政策動向(その2:米国、ドイツ)
7 国際的政策動向(その3:日本)
8 市場参加者によるエネルギーセキュリティ確保戦略
9 電力分野におけるエネルギーセキュリティと電気事業の経営戦略
10 最近の国際エネルギー資源問題
11 最近における原子力発電の動向
12 フランスの原子力政策
13 米国・英国の原子力政策
14 第1学期まとめ
15 予備日
16 米国における電力政策の経緯と現状
17 米国における電力政策の新展開
18 欧州域内市場統合の経緯と現状
19 EUのエネルギー・環境政策
20 わが国における電力政策の経緯と現状
21 アンバンドリングについて
22 エネルギー分野における外資規制
23 環境保全の基礎
24 地球温暖化問題の国際動向
25 低炭素社会構築のための政策
26 固定価格買取制度に関する評価
27 欧米における環境政策の論点
28 自由化市場と省エネルギー
29 第2学期まとめ
30 予備日
授業の進行度合い等で内容や順序が変わる場合がある。

授業方法

配布資料に基づき講義する。

準備学習

事前に教科書の当該箇所を読んでおくこと。

成績評価の方法

第2学期(学年末試験):80%
平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等):20%

教科書

矢島正之『電力政策再考』、産経新聞出版2012年、ISBN=9784863060913
各授業ごとに資料を用意する。

参考文献

矢島正之『エネルギー・セキュリティ』、東洋経済新報社2002年、ISBN=4492761292
茅陽一『低炭素エコノミー』、日本経済新聞社2008年、ISBN=9784532353414
上記以外は、授業時に指示する。

履修上の注意

履修者数制限あり。(80名)
第1回目の授業に必ず出席のこと。