経済学特殊講義(江戸時代の経済発展と身分差別社会)

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
吉田 勉 講師 2 1~4 第2学期 5

授業概要

江戸時代の経済現象を理解することを目的とする。併せて、現代日本の重大な社会問題の一つである部落差別問題を解消するための認識を涵養したい。そのため、マクロ的には「経済発展と社会制度との関連」、セミマクロ的には「各身分階層の果たした経済的機能」に、それぞれ照準を合わせた視座から、具体的・総合的に論じる。とりわけ、これまで論じられることの少なかった被差別身分の人々の経済活動について詳述する。

到達目標

江戸時代の経済発展と身分差別社会について学ぶとともに、現代日本における部落差別の解消するために、どのような取り組みや政策が必要であるかを、自分自身で考えることができるようになる。

授業計画

1 江戸時代とはどのような時代か
2 江戸時代の経済発展(1)農業生産力の増大
3 江戸時代の経済発展(2)商業生産の発展
4 江戸時代の社会制度(1)武士・百姓・町人
5 江戸時代の社会制度(2)被差別身分
6 被差別身分の経済活動(1)斃牛馬処理
7 被差別身分の経済活動(2)草履などの製造・販売
8 被差別身分の経済活動(3)竹製品・灯心・砥石などの製造・販売
9 被差別身分の経済活動(4)馬医者・助産・製薬など
10 被差別身分の経済活動(5)農林漁業など
11 被差別身分の人々が江戸時代社会で担った役割(1)警刑吏など
12 被差別身分の人々が江戸時代社会で担った役割(2)都市・村の治安
13 被差別身分の人々が江戸時代社会で担った役割(3)キヨメ
14 理解度の確認
15 自主研究
受講生の質問・意見を歓迎する。できるだけ講義に反映させたい。

授業方法

講義を主とする。理解を深めるため、パワーポイントを使用するほか、DVDなどの映像を利用する。

準備学習

授業中に配布した資料、事前に配布した資料の、必要部分を読んでおくこと。

成績評価の方法

レポート:70%(授業で学んだことを自分自身の言葉で考え、発展させ、レポートする。)
平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等):30%(提出してもらうリアクション・ペーパーなどを出席および学びの態度として評価する。)
出席状況・受講態度も評価に加える。

教科書

特になし。必要に応じて、レジュメ・資料などを配布する。

参考文献

東日本部落解放研究所『東日本の近世部落の具体像』(東日本部落解放研究所・歴史論集)、明石書店1992年、ISBN=4-7503-0433-6
東日本部落解放研究所『東日本の近世部落の生業と役割』(東日本部落解放研究所・歴史論集)、明石書店1994年、ISBN=4-7503-0597-9
埼玉県同和教育歴史教材編集委員会『埼玉の部落-歴史と生活』、埼玉県同和教育歴史教材編集委員会1997
斎藤洋一・大石慎三郎『身分差別社会の真実』(講談社現代新書、新書・江戸時代2)、講談社1995年、ISBN=4-06-149258-6
藤沢靖介『部落の歴史像 東日本から起源と社会的性格を探る』、解放出版社2001年、ISBN=4-7592-4032-2
他の参考文献などは授業時に示す。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

人権にかかわる授業なので、誤った理解をさけるために、全出席してほしい。