ビジネス・エコノミクス

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
第1学期  渡邉 真理子 教授
第2学期  D.リティシェフ 教授
4 2~4 通年 2

渡邉 真理子 教授 (第1学期) 

授業概要

本授業では、ミクロ経済学をもとに、様々な事業・業界が利益をあげる仕組みについて考察する。消費者と企業、それぞれの立場から意思決定を考えながら、価格設定、市場参入と退出、ネットワークビジネスなどについて学習する。多くの業界で現れる典型的なビジネス課題を取り上げ、各課題を分析可能なモデルとして表して本質を見抜くように分析する。なかでは、簡単な微分、デシジョンツリー、期待値やゲーム理論などの分析ツールを紹介する。

到達目標

経済学を使って事業を分析する、そして事業の損益を決める要因を明確にするというスキルを身につける

授業計画

1 イントロダクション:ビジネスエコノミクスとは何か。何がわかるようになるのか。
2 意思決定の原理(1):選択肢の順序にしたがう。増分で考える。 総額で考える。価値と価格の違い
3 意思決定の原理(2):トレードオフ 会計的費用と機会費用 限界的に考える
4 単独での意思決定(1)消費者の場合:効用から需要へ。 消費者の利益をどう測るか。 価格にどのくらい反応するか。
5 単独での意思決定(2)企業の場合:利益 費用の種類と意思決定 価格の決定が利得を左右する リスクがあるときの意思決定
6 相手があるときの意思決定:ナッシュ均衡 最適反応
7 取引の利益と競争優位:ビジネスモデル設計の基礎概念 企業の利益の上げ方 コスト優位戦略と便益優位戦略
8 交渉の理論: 交渉力をきめるもの 機会費用 コミットメント りんかい線と京葉線の相互乗り入れ問題 
9 契約理論:モラルハザードと契約 フランチャイズ契約 セブンイレブンと店舗の見切り販売をめぐる紛争
10 価格設定の理論:1対多数の時に価格はどうきまるか(オークション) 需要は価格にどう反応するか いろいろな価格づけの考え方(一律価格 価格差別など)
11 差別化された市場での企業戦略:差別化された市場で、便益と価格はどのように決まるのか?
12 川上と川下の合併:流通業者とメーカーが統合すると価格があがる?
13 復習問題の解説
14 市場の外部性:正の外部性を利用したビジネスモデル プラットフォーム  負の外部性を排除するための政策
15 総括 まとめ

授業方法

講義形式で行う。経営課題の分析には必要に応じて数式やグラフを利用するが高度な数学を使わない。

準備学習

講義の内容に関連する練習問題を解く。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):50%
第2学期(学年末試験):50%

教科書

安藤至大『ミクロ経済学の第一歩』(有斐閣ストュディア)、2013年、ISBN=9784641150058
伊藤秀史『ひたすら読むエコノミクス』、有斐閣2012年、ISBN=9784641163973

参考文献

梶井厚志 松井彰彦『ミクロ経済学 戦略的アプローチ』、日本評論社2000年、ISBN=4535552029
ベサンコ その他『戦略の経済学』、ダイアモンド社2002年、ISBN=978-4478374207
浅羽茂『経営戦略の経済学』、日本評論社2004年、ISBN=4535553688
神取道宏『ミクロ経済学の力』、日本評論社2014年、ISBN=978-4535557567

D.リティシェフ 教授 (第2学期) 

授業概要

<第一学期と同じ>

到達目標

<第一学期と同じ>

授業計画

1 リスクとリターンの両面を重視する意思決定方法(デシジョンツリー) 
2 料金体型と収入(通話料金)
3 価格設定(独占、寡占、完全競争)
4 ゲーム理論紹介(ゲームツリー、利得行列、ナッシュ均衡)
5 寡占の主要3モデル(Cournot, Stackelberg, Bertrand)
6 寡占における競争(利益を拡大するために収入など利益以外の目標を求めるべきか)
7 オークション(入札・落札の方式、落札戦略、勝者の災い)
8 逆選択:無担保ローンの金利設定
9 逆選択:自動車保険の保険料設定 
10 逆選択:中古品販売(自動車、芸術品)
11 販売制度(最低価格保証、ポイント加算)
12 コンテスト(飽和市場のシェアを広告で争う企業)
13 シグナリング(受験と就活)
14 相対所得(住宅、高級品)
15 総括

授業方法

<第一学期と同じ>

準備学習

<第一学期と同じ>

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):50%
第2学期(学年末試験):50%

教科書

『<第一学期と同じ>

参考文献

『<第一学期と同じ>