比較芸術学演習Ⅱ
仏教と美術―

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
吉田 典代 講師 4 2~4 通年 4

授業概要

仏教美術には典拠となる経典があり、それをふまえて造形されます。しかしながら実際には、同一の主題でありながら、作品間に形や表現の面で相違が生じてもいます。テキストをどう造形しているか。相違はなぜ生じるのか。作例の豊富な尊格や主題を取り上げて、具体的に検証していきます。日程の都合がよければ、実際に仏教美術の見学に行き、座学で得た知識を生きたものにしましょう。

到達目標

特徴のある仏像・仏画について、テキストを読み、いくつかの作品を分担して研究し、発表します。その内容を毎回レポートとしてまとめ、一年の学習が終了する時に、自分だけの研究ノートを完成させます。研究の過程を通じて、仏教美術の基礎的な知識を会得すると同時に、資料の探し方・発表のまとめ方など、自分の研究分野でも応用できる手法に習熟してもらいたいと思います。

授業計画

1 授業の内容についての解説
2 仏教美術の基礎知識1 仏教の発生と展開
3 仏教美術の基礎知識2 ほとけの姿と役割
4 仏教美術の基礎知識3 日本における展開
5 研究方法の解説・案内
6 見学会1(日程は展覧会の期間に応じて前後する)
7 阿弥陀如来像の研究
8 観音菩薩像の研究1
9 観音菩薩像の研究2
10 弥勒菩薩像の研究
11 地蔵菩薩像の研究
12 金剛力士像の研究
13 四天王像の研究
14 異形の神像の研究
15 自主研究
16 女神像の研究
17 密教美術の基礎知識
18 大日如来像の研究
19 不動明王像の研究1
20 不動明王像の研究2
21 両界曼荼羅1 胎蔵界曼荼羅の解説
22 両界曼荼羅2 胎蔵界曼荼羅の制作
23 両界曼荼羅3 金剛界曼荼羅の解説
24 両界曼荼羅4 金剛界曼荼羅の制作
25 見学会2(日程は展覧会の期間に応じて前後する)
26 別尊曼荼羅1
27 別尊曼荼羅2
28 別尊曼荼羅3
29 一年のまとめ
30 自主研究
宗教美術を対象とした自分の研究テーマがある学生については、別尊曼荼羅を扱う期間に発表の機会を設けます。

授業方法

最初に皆で経典の該当箇所を読み、その後、具体的な作品の検討を行います。事前に担当を決めて、1回の授業につき3~4作品程度を取り上げる予定です。できればグループではなく、一人ずつ発表できるよう工夫します。

準備学習

経典などの資料はマスターコピーを用意しておくので、事前に複写し読んでおいてください。
発表者は、参加者に配布する資料を各自で制作してください。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):25%(研究ノートの中間評価)
第2学期(学年末試験):25%(研究ノートの全体評価)
平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等):25%(3分2以上の出席)
研究発表:25%(簡潔明快にまとめてください)
授業に意欲的であったかどうかは、研究ノートのまとめ方に端的に表れるので、そこを評価します。

その他

見学会は、受講生の3分2の日程が合わない時は、全体での見学会ではなく、個人で行ってもらうことになります。