心理学特殊講義(グループ・パフォーマンスの社会心理学)

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
飛田 操 講師 2 2~4 集中(通年)

授業概要

 私たちは,家族,クラス,サークルといった多様な集団に所属しています。そしてそれらの集団の成果は,私たちの生活や心理に大きな影響を与えています。
 この授業では,集団によるパフォーマンスの特徴について社会心理学的に理解をするとともに,グループ・パフォーマンスを規定している要因について検討する予定です。さらに,グループ・パフォーマンスを向上させるための手がかりについても考察していきたいと思います。
 授業の中では,これらの基礎的な知見を踏まえて,私たちにとって最も身近であり,かつ,影響力の強い集団である家族集団についても検討していきたいと思います。
 なるべく多くの実習的な内容や視聴覚教材を取り入れた授業を展開していく予定なので,受講する学生には,積極的な参加が求められます。また,実習的な内容を含む授業の性質上,授業への出席が単位認定の要件となります。

到達目標

 グループ・パフォーマンスの特徴と,グループ・パフォーマンスを促進したり抑制する要因についての理解を深めること,さらには,グループ・パフォーマンスを向上するための考察ができること,そして,これらの基礎的・応用的な知見をふまえて,家族集団の特徴や働きについて考察できることを到達目標とします。

授業計画

1 オリエンテーション
2 第一印象とグループ・パフォーマンス
3 情報の変容とグループ・パフォーマンス
4 グループ・パフォーマンスの抑制因
5 家族という集団
6 ジグソー協同学習法の理論と背景
7 ジグソー協同学習法の実際
8 家族集団の発達
9 家族集団の働き
10 ノンバーバル・コミュニケーションとグループ・パフォーマンス
11 ジグソー協同学習法の問題点
12 「クリスマスの約束」からみたグループ・パフォーマンス
13 集団は個人を越えるのか:グループ・パフォーマンスの促進因
14 授業のまとめ
15 予備日

授業方法

授業では,講義の他,グループワークを中心とした実習的な内容をなるべく取り入れたり,視聴覚教材を活用した授業を展開していく予定ですので,受講者には授業への積極的な参加や主体的な姿勢・態度が求められます。

準備学習

予習として,あらかじめ下記の参考論文に目を通していただくと,授業の理解が進むと思われます。
授業では,実習的な内容を取り入れていきたいと思いますので,受講者には,さまざまな体験をしていただくことになります。その体験を,自分なりに整理し,社会心理学的な知識や体系のなかに位置づける試みを復習のなかで行っていただくことが求められます。つまり,(1)授業のなかで,どのようなことを感じたり考えたりしたのか,(2)その体験は,どのような社会心理学的な知識や理論と関連するのかをまとめたり調べたりすることが求められます。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):50%
平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等):50%
演習形式の授業を取り入れるため,授業への出席や参加の仕方が評価の大きなポイントになります。

参考文献

釘原直樹『グループ・ダイナミックス』、有斐閣2011年、ISBN=978-4641173781
その他の参考図書や論文は,必要に応じて授業中に紹介していきます。