※幾何学特論Ⅰ(大学院D:幾何学特論Ⅳ)(学部:幾何学3)

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
桑田 孝泰 講師 2 M 第2学期 3

授業概要

 この講義では、平面格子における図形に関する様々な問題を考えていく。
 まず、頂点が格子点(座標がすべて整数である点)からなる格子多角形に関する結果のうち、興味深いものをいくつかを紹介する。証明はすべて初等的である。
 ついで、領域の含む格子点の個数に関するミンコフスキーの定理とブリクフェルトの定理を学び、シュタインハウスの円と格子点の問題、およびそのバリエーションとして、既約代数曲線で囲まれた領域の格子点の個数の問題を取り上げる。さらに、円周上の格子点の個数に関するシンゼルの定理、および円以外の2次曲線上の格子点の個数に関する問題について取り組む。
 整数、微分積分、線形代数などの予備知識が必要と思われる部分はその都度復習をしながら進めていく。

到達目標

格子多角形に関するいくつかの結果を理解できるようになる。また、領域の含む格子点の個数に関するミンコフスキーの定理とブリクフェルトの定理を理解し、応用できるようになる。さらに、シュタインハウスの円と格子点の問題、およびそのバリエーションとして、既約代数曲線で囲まれた領域の格子点の個数の問題や2次曲線上の格子点の個数に関する問題に挑む。

授業計画

1 ピックの定理
2 等辺格子多角形
3 格子角定理(1)
4 格子角定理(2)
5 等角格子多角形
6 図形の面積と格子点(1)-ミンコフスキーの定理
7 図形の面積と格子点(2)-ブリクフェルトの定理
8 シュタインハウスの問題
9 代数曲線
10 べズーの定理
11 ガウス整数(1)
12 ガウス整数(2)
13 円周上の格子点の個数について
14 2次曲線上の格子点の個数について
15 授業のまとめ

授業方法

適宜、演習を取り入れていく。

準備学習

その前の回に学んだ内容を復習しておく(少なくとも30分)。
事前に教科書の該当箇所を読んでおく(少なくとも30分)。

成績評価の方法

第2学期(学年末試験):60%
レポート:20%
平常点(出席、クラス参加、グループ作業の成果等):20%
レポートおよび試験などで評価する。

教科書

前原・桑田『整数と平面格子の数学』(数学のかんどころ)初版、共立出版2015

参考文献

授業時に指示する。