芸術学
007-D-019

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
高橋 裕子 教授 4 通年 3

授業概要

「芸術」について、あるいはその一分野、例えば絵画について、世間にはさまざまな漠然とした通念がありますーー「芸術」は生活にゆとりがあれば持ちたい「飾り」だとか、美しい自然があれば風景画が発達するとか、「傑作」や「巨匠」は時代や地域を超えて認められるとか。その通念を問い直し、新しい観点や知識を提供することによって受講者の新たな関心を刺激し、芸術に対する理解を深めてもらうことをめざします。主要な例としてはルネサンス以降の西洋絵画を取り上げますが、比較例として、彫刻はもちろん、文学や音楽にも言及する予定です。特に哲学科の1~2年生で美学美術史系を希望する人はぜひ受講してください「美術史概説」も併せて履修することを勧めます。「西洋美術史」や「日本美術史」も受講すれば、いっそう理解が深まるでしょう。

到達目標

「芸術」について積極的な関心を持ち、通念に囚われることなく、自分の意見を持てるようになる。

授業計画

1 イントロダクション
2 絵画や彫刻ーーさまざまな制作目的
3 美術作品と「場」
4 美術館の成立
5 美術作品とタイトル
6 ジャンル固有の問題(1)風景画
7 ジャンル固有の問題(2)風俗画
8 ジャンル固有の問題(3)静物画
9 ジャンル固有の問題(4)肖像画
10 ジャンル固有の問題(5)歴史画
11 ジャンル固有の問題(6)宗教画
12 ジャンル固有の問題(7)宗教画(続き)
13 ジャンル相互の混交(1)肖像画と歴史画
14 ジャンル相互の混交(2)肖像画と風俗画
15 理解度の確認
16 伝統の力(1)創作活動の文脈として
17 伝統の力(2)模倣と創造
18 絵画固有の問題(1)平面装飾としての絵画
19 絵画固有の問題(2)デザインと構図
20 絵画固有の問題(3)空間表現
21 絵画固有の問題(4)材料と色彩の効果
22 美術史研究の方法論(1)ヴェルフリンと様式史
23 美術史研究の方法論(2)パノフスキーと図像解釈学
24 諸芸術比較論(1)絵画と彫刻(ルネサンスのパラゴーネ)
25 諸芸術比較論(2)造形芸術と時間芸術(a.類似の協調)
26 諸芸術比較論(3)造形芸術と時間芸術《b.相違の強調)
27 芸術の「価値」(1)傑作の条件
28 芸術の「価値」(2)「贋作」の側から見る。
29 美術館のその後ーー神殿か教育機関か娯楽施設か。
30 理解度の確認

授業方法

講義形式

準備学習

・授業前に、教科書の指定された箇所を読んでおくこと。
・授業後に、配布資料を読んで復讐すること。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):50%(丸暗記に留まらない深い理解が見られること。)
第2学期(学年末試験):50%(丸暗記に留まらない深い理解が見られること。)

教科書

スーザン・ウッドフォード『『絵画の見方』』初版、ミュージアム図書2005年、ISBN=4944113587
教科書は初回の授業で購入希望者数を確認、出版社から直接仕入れて2回目の授業の際に教室で販売します。

参考文献

開講時および授業の際に紹介します。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。