担 当 者 | 単 位 数 | 配当年次 | 学 期 | 曜 日 | 時 限 |
飯田 芳弘 教授 | 4 | 3~4 | 通年 | 木 | 3 |
1 | 演習全体(とくに第1学期の)イントロダクション 数年前から、ヨーロッパに関するニュースは深刻なものが増えてきました。もちろんそのような面にだけに注目するのはバランスの良い見方ではありませんが、ユーロ危機とギリシアの財政破綻問題、難民の大量流入、そしてパリでの大規模なテロリズム(フランスは「戦争状態」にあると宣言されました)といったニュースに接すると、現在のヨーロッパでなにか大きな変動が生じている(すでに進行していた変化がいよいよ顕在化してきたのか、あるいはまだその序曲にすぎないのか)ということを実感せざるを得ません。 今年度の第1学期は、そうした「揺れるヨーロッパ」で、今、何が起きているのかを理解したいと思います。具体的にはまず、 アンソニー・ギデンズ『揺れる大欧州 未来への変革の時』(岩波書店、2015年) を読むことにします。ギデンズは日本でも名の知られた世界的な社会学者であり、この著作は現在のヨーロッパの課題をえぐり出し、その課題に対する処方箋を示した書して高く評価されているものです。具体的には、「EUの構造的矛盾」、「緊縮政策による各国の苦悩」、「欧州社会モデルの危機」、「移民・難民の増大と排外主義の台頭」、「地球温暖化の深刻化とエネルギー政策の将来」、「ヨーロッパ外交と安全保障政策」、「ユーロ離脱シナリオの検討」といった問題が取り扱われています。 もちろんこれはヨーロッパに関する問題ですが、その多くが日本も含めた先進国が直面している問題でもあります。日本は、今でも、社会のさまざまな問題の解決方法のモデルをヨーロッパに求めることがしばしばであり、またヨーロッパ自身、どのような危機に対してであれ、それに歴史的知恵と実験的精神を背景とした対応策を示してきました。もちろん失敗もありますが、学ぶべきこともまた多いのです。 授業は、このギデンズの本の1章を読み、その前後の週ではそこで扱われた問題に関連した文献・論文を読むという形で進めたいと考えています。 |
2 | 文献講読①:ユーロ危機(田中素香『ユーロ危機とギリシャ反乱』①) |
3 | 文献講読②:ユーロ危機(田中素香『ユーロ危機とギリシャ反乱』②) |
4 | 文献講読③:ユーロ危機(田中素香『ユーロ危機とギリシャ反乱』③) |
5 | 文献講読④:ユーロ危機(ギデンズ『揺れる大欧州』序章) |
6 | 文献講読⑤:EUの構造的矛盾(ギデンズ『揺れる大欧州』第1章・結論) |
7 | 文献講読⑥:各国の緊縮政策(ギデンズ『揺れる大欧州』第2章) |
8 | 文献講読⑦:ヨーロッパ社会モデルの危機(ギデンズ『揺れる大欧州』第3章) |
9 | 文献講読⑧:ヨーロッパ社会モデルの危機(第8回の関連論文) |
10 | 文献講読⑨:難民・移民と排外主義(ギデンズ『揺れる大欧州』第4章) |
11 | 文献講読⑩:難民・移民と排外主義(第10回の関連論文) |
12 | 文献講読⑪:地球温暖化とエネルギーの未来(ギデンズ『揺れる大欧州』第5章) |
13 | 文献講読⑫:「テロとの戦い」と欧州安全保障(ギデンズ『揺れる大欧州』第6章) |
14 | 文献講読⑬:「テロとの戦い」と欧州安全保障(第13回の関連論文) |
15 | 第1学期の総括 |
16 | 第2学期のイントロダクション |
17 | 研究報告① |
18 | 研究報告② |
19 | 研究報告③ |
20 | 研究報告④ |
21 | 研究報告⑤ |
22 | 研究報告⑥ |
23 | 研究報告⑦ |
24 | 研究報告⑧ |
25 | 研究報告⑨ |
26 | 研究報告⑩ |
27 | 研究報告⑪ |
28 | 研究報告⑫ |
29 | 研究報告⑬ |
30 | 第2学期の総括と演習全体の成果と課題の確認 |