● 特殊講義（法曹倫理）

011-B-390

法曹の使命・役割を認識したうえで、弁護士、検察官、裁判官にとってなぜ職業倫理が厳しく求められるかを理解すること、とりわけ、弁護士の職務活動に即した倫理を理解することを目標とする。

弁護士の倫理を、依頼者の正当な利益の保護を中心とする活動のあり方について基本的な理解を確実にする。誠実義務、利益相反、守秘義務、真実義務に基づき効果的な弁護活動をすることの必要性、依頼者への責任、公共的な責任の意味を理解できるようになる。検察官は公益の代表者として厳正公平な職務を行うことを、裁判官は独立、公平、廉潔であること、その身分保障の意味を理解できるようになる。

1	本授業の趣旨・目的および授業進行上の方針・方法の説明ープロフェッションの成立と法曹倫理
2	弁護士の職務と倫理（１）ー弁護士倫理と弁護士の懲戒
3	弁護士の職務と倫理（２）ー弁護士法
4	弁護士の職務と倫理（３）ー企業内弁護士と倫理
5	裁判官の職務と倫理（１）ー刑事裁判官の倫理
6	弁護士の職務と倫理（４）ー家事関係訴訟（遺産分割）と法曹倫理
7	弁護士の職務と倫理（５）ー刑事弁護活動と倫理
8	弁護士の職務と倫理（６）ー弁護士倫理の中核的価値
9	弁護士の職務と倫理（７）ー民事弁護活動と倫理
10	弁護士の職務と倫理（８）ー法テラス、法律扶助と弁護士倫理
11	裁判官の職務と倫理（２）ー民事裁判官の倫理
12	弁護士の職務と倫理（９）ー知財関係法と法曹倫理
13	検察官の職務と倫理（１）ー検察官の倫理
14	弁護士の職務と倫理（１０）ー倒産手続と弁護士倫理
15	弁護士の職務と倫理（１１）ー共同事務所における弁護士倫理

実務家教員と研究者教員とがそれぞれの回を担当し、弁護士、検察官、裁判官の各法曹職にかかわる内容がオムニバス方式で提供される。担当教員自らの話の場合、担当教員が招いた講師による講義の場合、両者複合した場合がある。各回の詳細は第1回授業で示す。

多くは講義方式であるが、担当者によっては対話方式を取り入れ、また、異分野の複数の教員による討議を含む多方向型の授業方式を行うこともある。

弁護士職務基本規程のほか、各期日に使用するレジュメなどの資料は予めＧ－Ｐｏｒｔに掲示するので、これを予め読み、また、設例を含む場合にはこれらを検討してくること。

レポート：70％（与えられた複数のうち一つのテーマについてレポートを作成して、提出する。）

平常点（クラス参加、グループ作業の成果等）：30％（出席して上で授業における発言等）

森際康友編『法曹の倫理 2版』、名古屋大学出版会、2011年

履修者数制限あり。（20名）
第1回目の授業に必ず出席のこと｡

本科目を履修する前提として、必須法律科目《A-1》を20単位以上修得済みであり、かつ、基本法律科目《A-2》のうち、民事訴訟法および刑事訴訟法の単位を修得済みであることが望ましい。なお、民事訴訟法または刑事訴訟法の単位を未修得の場合、本科目と並行して当該科目を履修することを推奨する。

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