経済学特殊講義(グローバル人材の経済学)
021-B-226

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
松原 光代 特別客員教授 2 2~4 第1学期 4

授業概要

少子化により国内マーケットの縮小が予想されるわが国において、大企業はもとより中小企業も海外市場を求め海外へ進出している。わが国だけでなく、グローバル規模でマーケット拡大の経済活動が推し進められ、もはやその流れを止めることはできないであろう。経済のグローバル化は、同時に「ヒト」の動きのグローバル化でもある。企業においては、外国人が日本人をマネジメントする、または日本人が外国人をマネジメントするなど、人事管理のあり方が従来と大きく変化してきている。
 本授業では、1990年代以降の経済の変化、グローバル戦略を推進する企業の現状、さらには日本企業における人事管理特徴を踏まえたうえで、グローバル人材の育成・確保・活用に係る日本企業の課題を理解することを目的とする。

到達目標

本授業では、以下のレベルに達成することを目指す。
(1)1990年以降の企業の海外進出に係る特徴について説明できる
(2)日本企業の人事管理の特徴と、グローバル化に伴って顕著になりつつある課題について説明できる
(3)今後、多様な人材を活用できる企業の人事管理の在り方について、自らの考えを論じることができる

授業計画

1 イントロダクション(本講義の目的や進め方、受講者の問題意識の把握など)
2 1990年以降の経済のグローバル化に伴う企業活動の特徴
3 グローバル化による労働市場への影響:労働市場に与える影響のメカニズム
4 企業のグローバル経営展開のパターン
5 日本企業の人的資源管理の特徴と変化(1):制度構築の考え方、採用、報酬、解雇
6 日本企業の人的資源管理の特徴と変化(2):評価、人材育成、キャリア
7 欧米企業の人的資源管理の特徴
8 日本企業におけるグローバル人材の確保・育成に係る現況と課題(1):日本人社員に関する問題
9 日本企業におけるグローバル人材の確保・育成に係る現況と課題(2)::外国人社員に関する問題
10 事例研究:大企業におけるグローバル人材育成と管理、課題
11 日本の中小企業におけるグローバル化の推移と人材育成に係る課題
12 事例研究:中小企業におけるグローバル人材育成と管理、課題
13 グローバル化の進展が生む雇用の多様化
14 これからの日本企業の「グローバル人的資源管理」
15 本講義のまとめ
本授業は、上記の流れを基本として実施するが、受講者の関心や理解度に応じて内容を若干変更したり、外部講師を招き具体的に実態を話してもらうこともある。

授業方法

各テーマについて、授業内で適宜資料を配布しそれに基づく講義を行ったうえで、各テーマに対する受講者の理解を深めるべく、受講者とディスカッションを交え授業を進行する。また、授業内容と実際の企業活動との関連性を結びつけるために外部講師を招聘し、参加者間のディスカッションを行う。

準備学習

前回の授業ポイントを受講者を指名し発表してもらう。各自で配布した資料等を見直し、ポイントをまとめておくこと。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):70%(与えたテーマに対する基本的内容の理解度)
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):10%(全体の3分の2以上の出席)
授業内での発言:20%(授業内での議論の積極性)

教科書

授業内で適宜資料を配布する

参考文献

今野浩一郎・佐藤博樹『人事管理入門』(Management Text)第二版、日本経済新聞出版2009年、ISBN=9784532133795
石田光男・樋口純平『人事制度の日米比較』(人文・社会科学叢書)、ミネルヴァ書房2009年、ISBN=9784632055548
樋口美雄・財務相財務総合政策研究所『グローバル社会の人材育成・活用』、勁草書房2012年、ISBN=9784326503599
古沢昌之『グローバル人的資源管理論』、白桃書房2008年、ISBN=9784561264873
白木三秀『国際人的資源管理の比較分析』、有斐閣2006年、ISBN=97845953121202

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

授業欠席に当たっては必ず事前に連絡を入れ理由を述べることとする。
また、授業資料の提供および学生との連絡方法は、原則G-portで行う。なお、詳細は最初の授業で周知する。