経営数学Ⅱ
役に立つ数学―
022-A-142

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
白田 由香利 教授 2 1~4 第2学期 3

授業概要

本講義の目的は(1)論理的考え方ができるようにすること、(2)経営数学的知識の習得、である。つまり、数学を通して、論理的推論能力を高めることを主たる目的とする。それは数学分野に限らず日常生活における数多くの判断の質を高める。講義では、推論の中の、演繹推論を多く扱う。本講義では、与えられた経営数学問題に対して、論理的に考え、解く方法を学ぶ。
数学問題を解くために重要な力は、(1)問題を読解する力、および、(2)解に至るまでのプロセスを推論する力、そして、(3)計算する力、の3つの力である。(1)の読解力とは、現在のようす、あるいは、文章題などとして与えられた状況を読み解き、与えられたデータ(条件を含む)及び、未知数(求めるべき解)を箇条書きにして明確にすることである。(2)の推論とは、関係する数学公式、ルール、経済セオリーなどを、演繹推論によって組合せ、解に至るプロセス、解法プランを構築することである。(3)は、その解法プランに(1)で与えられた具体的数値を入れて計算し、未知数を具体的に求めることである。
本講義では、経済・経営の数学問題を解く論理的考え方の訓練をする。解法プランを深く理解するために、グラフィクスによる解説を行ない、知っているだけの数学から脱却し、使える数学知識に変えていく。教材全てには、解法プランの有向グラフ(e-Learningシステム Web: Visual Econo Math)、グラフィクスが含まれ、見て分かる数学を実践していく。
内容は、1変数関数の最適化問題、多変数関数の最適化問題、多変数関数の最適化問題を扱う。これらの最適化問題では、目的達成のために各種資源を最も有効に使うことを、数学問題を通して学ぶ。制約付き最適化問題のグラフィクスでは、制約と目的関数とのインターセクション部を可視化し、その取りうる値の中での最小点、最大点を発見し、2次元平面投影により、その値を読み取ることまでを行う。
本講義では,役に立つ数学を教える.特に,女性の人生の15のストーリーを数式で見る,という文章題集は昨年度も,「今まで習った数学と違って,実社会での利用方法が分かり面白くて役に立つ」と好評.これを理解するためにも,経営数学1を第1学期に合わせてとること.

到達目標

指数対数関数を含む最適化問題が解けるようになる。
制約付き最適化問題がラグランジェ未定乗数法を使って解けるようになる。
外国債券の値付けの計算が経過利子も含めてできるようになる.

授業計画

1 オリエンテーション
2 1変数関数の最適化問題
3
4 指数と対数の微分演習
5 指数関数の最適化問題
6 偏微分の演習
7 多変数関数の最適化問題
8
9
10 多変数関数の制約付き最適化問題
11 世の中で役立つ数学:女性の人生の15のストーリーを数式で見る
12 確定利付き債券
13
14
15 総復習
ドリルテストを数回行います.うち1回は「ラグランジェ未定乗数法7番勝負」で,満点者には楽しいイベントを用意してあります.毎年,このため,テストが盛り上がります.

授業方法

授業に関しての疑問質問は、e-Learningシステム Web:HowToSolveIt で回答し、皆さんの疑問解消に努めます。http://elearn.nantoka.com/HowToSolveIt/
 
使い方を説明します。学生の皆さんが、家で数学の問題を解いていて分からない箇所があった場合、紙の質問票に、解答プロセスを丸移ししてから、分からない箇所を線で明示して、教員に提出します。全ての教材には解答が付いています。先生からの返事は、音声付回答ビデオ・コンテンツとしてWEBに公開されます。学生の皆さんは、WEB上で、教師の音声を聞きながら、いつでも、回答を見聞きすることが可能となります。ビデオ・コンテンツからは、学生氏名などは消してありますが、学生の個人情報保護の観点から、本URLは外部公開していません.履修者だけ閲覧可能なサイトです.
自習用に各種のWeb教材を提供しています。http://www-cc.gakushuin.ac.jp/~20010570/, http://www-cc.gakushuin.ac.jp/~20010570/ABC/ (ビデオで説明を視聴して,グラフィクス教材を使ってください.家からでも視聴できます)
そのほか、過去の期末試験、小テストの内容も解答付きで載っています。
 
2年生以上から,「1年のときに躊躇せずに,早く経営数学1と2を合わせてとっておけばよかった」と後悔の言葉を頻繁に聞きます(アンケートの言葉はWEBに掲載).1年のときに経営数学を履修しましょう.
経営数学1,2は、他学部のかたの履修も歓迎します。楽しく数学が学べます.

準備学習

事前に配布した計算ドリル問題を解いて計算に慣れておくこと(約30分)。 
講義後、すぐにノートを読み直して分からない箇所を明確にすること。

成績評価の方法

第2学期(学年末試験):60%(途中の式を見ます)
レポート:10%(講義中に課題を出すので、必ず出席すること)
小テスト:30%(途中の式を見ます)
期末試験,ドリルテスト,その他,課題提出など

教科書

白田由香利『悩める学生のための経済・経営数学入門』、共立出版2009
白田由香利,橋本隆子,飯高茂『感じて理解する数学入門(eBook)』、オライリー・ジャパン2012
白田由香利,橋本隆子,市川収,鈴木桜子『大学生のための役に立つ数学』、共立出版2014
教科書は必須です。

参考文献

法経図書センターの「白田先生コーナー」にも参考書を用意していますので、参照してください。高校数学の参考書から英語版の大学生用数学テキストまで各種あります。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

経営数学1を参照してください.
経営数学入門ABCDは、昨年度から2年生以上も履修可能となりました。ABCDはその中の1つしか履修できません。