古典ギリシア語(初級)
030-B-006

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
小島 和男 准教授 4 1~4 通年 4

授業概要

21世紀のこの世界に、古典ギリシア語を日常生活で話している人は、おそらくいません。では何故、そのような言語を学ぶのでしょうか? 一つには、書かれたものがたくさんあるからです。ホメロスやプラトンなど、興味深く、面白そうなものがたくさんあります。勿論、すぐれた翻訳もたくさんありますが、好きな物語や文章ほど、原典に触れたくなるものです。もう一つの理由として、古典語そのものが面白いということがあげられます。勿論、ダーツを面白いと思う人がいれば面白くないと思う人もいるように、好き好きではありますが、ちまちまパズルを解くのが好きな人にはとても面白いものです。また、古典語ではオーラルコミュニケーションの能力は要求されません。語学は好きだけど、コミュニケーション系の授業が苦手な方はいませんか? コミュニケーション系の授業でなくとも最近は、特に英語の授業で、シャドーイング、リスニングを多くさせられます。勿論、それらはとても大事ですが、本当に大事ですが(大事なことなので二度書きました)、私はものすごく大嫌いです。古典ギリシア語の授業では、ちまちま一単語一単語調べて文章を理解する、そんな作業のみを楽しく出来るわけです。楽しそうだなと思ったらやってみましょう。楽しそうだなとまでは思わないけど、という方もやってみたら面白くなるかもしれません。勿論反対の場合もありますが。というわけで、この授業の目的は古典ギリシア語を楽しむことです。付随的に、初級の文法が習得されます。

到達目標

初級文法を習得し、古典ギリシア語の演習に参加できるようになる。

授業計画

1 4月7日:ガイダンス
2 4月14日:文字と発音
3 4月21日:アクセント
4 4月28日:第1・第2変化の名詞および形容詞、定冠詞
5 5月12日:第1変化名詞および第1・第2変化の形容詞(つづき)
6 5月19日:ω動詞の直接法能動相現在、未来、未完了過去およびアオリスト/不定詞を用いた間接話法
7 5月26日:直接法能動相第2アオリスト/結果文、時の表現/前接辞と後接辞、疑問代名詞と不定代名詞、特殊な動詞、所有の与格
8 6月2日:子音幹の第3変化名詞、限定の対格および与格/母音融合を行う第1・第2変化形容詞
9 6月9日:母音幹の第3変化名詞
10 6月16日:関係代名詞
11 6月23日:指示代名詞、強意代名詞/形容詞および副詞の比較
12 6月30日:母音融合動詞/流音・鼻音幹動詞の未来、人称代名詞
13 7月7日:その他の形容詞
14 7月14日:前期の復習
15 予備日
16 9月22日:μι動詞
17 9月29日:ω動詞の能動相現在・未来・第2アオリストの分詞、分詞の用法
18 10月6日:ω動詞の能動相アオリストの分詞、μι動詞の能動相現在および第2アオリストの分詞、分詞の用法(つづき)
19 10月13日:接続法能動相現在およびアオリスト、主文における接続法の用法、接続法を用いた条件文
20 10月20日:希求法能動相現在・未来・アオリスト、主文における希求法の用法、目的文/希求法を用いた条件文、間接話法、話法転換時の動詞の法の変化、間接疑問
21 10月27日:直接法中・受動相現在、直接法中動相未来、能動相欠如動詞、危惧・恐怖を表す文
22 11月10日:直接法中・受動相現在、直接法中動相未来、能動相欠如動詞、危惧・恐怖を表す文/直接法中・受動相未完了過去、直接法中動相第2アオリスト、再帰代名詞、所有形容詞、配慮・努力を表す文
23 11月17日:直接法中動相アオリスト、事実に反する仮定の条件文、過去の可能性を表す文/接続法中・受動相現在、接続法中動相アオリスト
24 11月24日:希求法中・受動相現在、希求法中動相アオリスト・未来/受動相アオリストおよび未来、行為者の表し方、手段・方法の与格
25 12月1日:能動相完了・過去完了・未来完了/中・受動相完了・過去完了・未来完了、行為者の与格
26 12月8日:命令法
27 12月15日:μι動詞型の変化をする第2アオリスト、動形容詞、動詞の主要部分/数詞
28 12月22日:アリストテレスを読む①
29 1月12日:アリストテレスを読む②
30 予備日
予定は未定です。

授業方法

どんな遊びやゲームも、ルールを覚えて練習しなければ、楽しめるようにはなりません。ルールの解説、コツや攻略法は授業時にお伝えしますから、ルールを見てくること、つまり教科書の内容を各自である程度予習してくることが必要です。その上で練習問題をいくつか解いてきてもらって、授業時にそれをみんなで確認します。

準備学習

予習が大事です。教科書をよく読み、お配りする予習用プリントをやってきて下さい。目安時間は各人の能力によりマチマチでしょう。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):30%
第2学期(学年末試験):30%
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):40%
上記のパーセンテージはあくまでも目安です。詳しくは授業でお話しします。

教科書

水谷智洋『古典ギリシア語初歩』、岩波書店1990年、ISBN=9784000008293

参考文献

第一回目の授業で指示します。

その他

哲学科でギリシア哲学を学ぼうとする、もしくはその可能性がある方は、この授業、もしくは小川先生の「古典ギリシア語(初級)」を履修して下さい。