※舞台芸術文化論演習
フランス17世紀を代表する3人の劇作家―
031-A-243

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
T.マレ 教授 4 2~4 通年 3

授業概要

 今年度も、演劇の実践を試みる。学生たちを俳優にしようとするわけにはいかないにせよ、演技とパーフォーマンスの現実へと導きたい。それに加えて、フランス17世紀の演劇の紹介と分析を提供し、とりわけフランス中学校から徹底的に教えられていて、まさに「クラシック」時代全体を代表するコルネイユ、モリエール、ラシーヌを具体的に「読む」、つまり演じるきっかけとなる。 
 3人の劇作家は、もちろん、互いに非常に異なる。コルネイユが喜劇も悲劇もを上演して、古典主義の成立初期を生きて当時の激しい議論に参加し、40歳下のラシーヌは演劇における古典主義の模範となったが、喜劇を1篇しか残さなかったが、悲劇を演じる夢をずっと抱いたモリエールは偉大な喜劇俳優で結局フランスの喜劇に決定的な形を与えた

到達目標

 この授業の中心となる作品はフランス語で書かれているものだが、日本語訳を使うので、フランス語の知識は全く要求されていない。
 各作品については5回の授業に分けて扱う。第1回は、一般的な(作家、時代、演劇史などに関する)情報が提供される。第2回は、戯曲自体に関する話として、代表的(または特に興味深い)場面を選び、それを分析する。第3回と第4回は、学生とともにに、その場面の演出について考えて演じてみる。

授業計画

1 (前期)
フランス17世紀の演劇と古典主義の誕生について
2 コルネイユの喜劇、『王宮広場』について
3 『王宮広場』の抜粋を読む
4 『王宮広場』に関する実践ワークショップ1
5 『王宮広場』に関する実践ワークショップ2
6 コルネイユと悲劇、『ル・シッド』の議論から、『劇的詩に関する3つの会話』へ
7 『ロドギュンヌ』について
8 『ロドギュンヌ』の抜粋を読む
9 『ロドギュンヌ』に関する実践ワークショップ1
10 『ロドギュンヌ』に関する実践ワークショップ2
11 モリエールの生涯について
12 モリエールと笑劇、『スカパンの悪巧み』について
13 『スカパンの悪巧み』の抜粋を読む
14 『スカパンの悪巧み』に関する実践ワークショップ
15 前期授業のまとめ
16 (後期)(後期) 
モリエールの大喜劇について
17 『ドン・ジュアン』について
18 『ドン・ジュアン』の抜粋を読む
19 『ドン・ジュアン』に関する実践ワークショップ1
20 『ドン・ジュアン』に関する実践ワークショップ2
21 ラシーヌの生涯について
22 ラシーヌの『裁判実きちがい』について
23 『裁判きちがい』の抜粋を読む
24 『裁判きちがい』にかんする実践ワークショップ1
25 『裁判きちがい』に関する実践ワークショップ2
26 ラシーヌの悲劇について
27 『ベレニース』について
28 『ベレニース』の抜粋を読む
29 『ベレニース』に関する実践ワークショップ
30 後期授業のまとめ
 この授業内容は、必要に応じて(ゲストの受け入れの場合、更に場面の分析を深めたい場合など)変化することもありえる。

授業方法

場合によっては、ゲスト(プロの演出家、俳優、劇作家など)を招待してワークショップを行うこともありえる。

準備学習

 事前に件の文章をよく読んで、上演の条件を考えること。

成績評価の方法

レポート:50%
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):50%
博士前期課程の学生と博士後期課程の学生は、それぞれ別の基準で評価する。
学部学生は、学部科目の基準で評価する。

教科書

 必要な資料をその場で配ります。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。