基礎演習A
T.ネーゲル、B.H.チェンバレンを読む―
031-A-110

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
林 東洋 講師 4 1 通年 3

授業概要

第1学期は、現代アメリカの哲学者であるトマス・ネーゲルの著作を参加者全員で輪読する。これまで哲学において論じられてきた基本的な主題や概念について学習しながら、全員で議論を深めていく方針である。
第2学期は、〈お雇い外国人〉であったイギリスの日本学者、バジル・ホール・チェンバレンの著作を読み込んでいく。各人の担当箇所を発表してもらい、海外の研究者が日本の文化(とくに思想面)をどのように評価したのかを学んでいく。さらにチェンバレンの見解に補足や批評を加えながら、日本文化が有する性質について全員で議論する予定である。

到達目標

上述のように、第1学期はネーゲルのテクストを輪読しながら、哲学の基礎的な議論を理解することを目指す。単なる英文読解にとどまらず、各人が個々の哲学的主題について自分自身の見解を表明する能力を培うことを目標とする。
第2学期は、チェンバレンが著した日本に関する小事典の各項目を割り振り、レジュメの作成・口頭発表などの経験を積んでもらう。哲学科において別途開催するジュニアセミナーと連動しつつ、自分で学習・調査したことを発表する技術を涵養してもらうためである。内容面では、日本文化について表面的・類型的・自己満足的な理解に陥らぬように留意しながら、各人が「現代の日本で哲学・思想史を学ぶこと」の意味を問い直すことを期待している。

授業計画

1 クラス分け、ガイダンス
2 テクストの輪読、議論
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14 第1学期の総括
15 予備日
16 ガイダンス、発表担当の割り振り
17 担当者による発表、全員で議論
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29 一年間の総括
30 予備日

授業方法

テクストは全て英語の文献を使用するが、翻訳書も随時参照するので心配はいらない。英文を翻訳することが本授業の趣旨ではなく、あくまでも内容について議論して理解を深めることが主たる目的である。また、履修者全員に担当箇所の発表が義務づけられる。

準備学習

授業中に随時指名して意見を求めるので、発表担当者のみならず参加者全員が充分に準備をしてから授業に臨むようにしてもらいたい。とくに発表担当者は、配布資料の準備などに万全を期してもらいたい。

成績評価の方法

レポート:50%(テクストおよび授業の内容をよく理解し、自らの見解を明確に表現できているかどうかを評価する。)
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):50%(出席状況、テクストの予習、発表の担当、さらに積極的に議論に参加しているかどうかを評価する。)

教科書

Thomas Nagel, What does it all mean?, Oxford University Press, 1987, ISBN:9780195174373
Basil Hall Chamberlain, Things Japanese, 5th Edition, J.L.Thompson, 1927, ISBN:9784841902848

参考文献

哲学科事務室にマスターコピーが用意されているので、各自コピーして使用すること。翻訳書等の詳細に関しては、授業中に指示する。

履修上の注意

履修者数制限あり。
第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

哲学科の基礎演習Aは本授業を含めて3コマ開講される。初回に参加クラスの割り振りを行うので、哲学科からの連絡に留意すること。なお各クラスの人数を調整するため、履修希望に沿えないこともある。