東洋史概説

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
第1学期  鶴間 和幸 教授
第2学期  武内 房司 教授
4 1~4 通年 1

鶴間 和幸 教授 (第1学期) 中国文明から中華帝国へ

授業概要

第1学期中国文明の誕生から中華帝国の形成(秦漢)、分裂(魏晋南北朝)、再生(隋唐)までの歴史を、考古学的な成果を取り入れながら概説していく。王朝交替史ではなく、地域から中国古代史を概説する。

到達目標

史学科学生は必修ですので、日本史、東洋史、西洋史のどれを専攻するかにかかわらず、しっかり学んでほしい。
時代の流れとともに、各時代に設定したテーマから時代を読んでほしい。

授業計画

1 絹と紙の中国文明
2 世界史を学ぶ
3 文明の誕生
4 黄河と長江の恵み
5 中国古代の科学技術
6 万里の長城
7 始皇帝の時代
8 映画:始皇帝暗殺
9 皇帝制の成立
10 秦漢文明の繁栄
11 三国分立の時代
12 北魏制服王朝の時代
13 国際都市の繁栄
14 長安から開封へ

授業方法

できるだけ映像資料を使いながら講義していく。資料は毎回配布。出席カードに授業の感想、質問を書き、毎回提出してもらう。

準備学習

もういちど高校の世界史の該当時代を読み返しておいてほしい。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):70%
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):30%
出席カードに意見を書いてもらい、試験の成績に加味して評価する。

参考文献

尾形勇・岸本美緒『中国史』(世界各国史)、山川出版社1998年、ISBN=4-634-41330
講義の中で指示する。

武内 房司 教授 (第2学期) 

授業概要

後半では,まず,歴史研究の基礎となる記録の伝統をたどりながら,中国の歴史意識のについて概説します。つぎに中国を統治した最後の王朝清朝の台頭を軸に,朝鮮・ヴェトナムなどの東アジアの諸事例を参照しつつ,17世紀から19世紀にかけて東アジア世界の展開を辿っていきます。最後に,東南アジア史の歴史研究の手法などを紹介しながら,アジア研究の近年の新しい流れを紹介していきたいと思います。

到達目標

今日につながるアジアの地域的枠組みを歴史的に理解する視野を身につけることをめざします。

授業計画

1 記録と歴史〜東アジアの記録の伝統
2 清朝とヨーロッパ〜宣教師の見た中国社会像
3 科挙システムと東アジア
4 大義覚迷録の世界〜雍正帝の歴史観
5 大義覚迷録の世界〜雍正帝の華夷論
6 「華夷変態」と朝鮮~それぞれの“中華”
7 「華夷変態」と日本~それぞれの“中華”
8 「華夷変態」とヴェトナム~それぞれの“中華”
9 家族から見た東アジア世界の普遍と多元〜中国の場合
10 家族から見た東アジア世界の普遍と多元〜朝鮮・ヴェトナムの場合
11 小農社会論
12 インヴォリューション〜ジャワの人口動態史から東アジアを考える
13 ジオボディ〜近代東南アジア大陸部の近代国家形成
14 ゾミア〜中国・東南アジア山地民の世界
15 まとめ
上記はめやすであり、変更もありえます。

授業方法

講義形式で行います。

準備学習

講義で配布したプリントや提示した参考文献に目を通しておくことが望ましい。

成績評価の方法

第2学期(学年末試験):80%(講義の理解度及び解釈の独創性を重視する。)
出席:20%

教科書

特に指定しません。

参考文献

講義で紹介します。