○複素関数入門 数2年
043-A-223

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
中島 匠一 教授 4 2 第2学期週2回
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授業概要

複素変数の正則関数(解析関数ともいう)は、現在の数学の基本をなしている。この講義の目的は、複素関数の基礎理論をマスターしてもらうことである。講義で取り上げる事項は、下の「授業内容」の通りである。

到達目標

複素関数の基本を理解し、必要な計算が実行できること。
特に、留数定理を応用して定積分の計算ができることが重要である。

授業計画

1 導入:複素関数論の位置づけ
2 複素数と複素数列
3 ベキ級数
4 複素関数の例 I :多項式・有理関数・指数関数・対数関数
5 複素関数の例 II :3角関数・その他
6 正則関数 I :定義と基本性質
7 正則関数 II :コーシー・リーマン関係式
8 平面の位相に関する復習
9 複素線積分 I :定義と基本性質
10 複素線積分 II :具体的な計算例
11 コーシーの積分定理
12 コーシーの積分公式
13 積分公式の応用 I :テイラー展開
14 積分公式の応用 II :一致の定理、最大値の原理
15 積分公式の応用 III :リュービルの定理
16 積分公式の応用 IV :代数学の基本定理の証明
17 関数の特異点
18 コーシーの積分定理(再説)
19 孤立特異点でのローラン展開
20 有理型関数
21 留数定理
22 留数定理を使った定積分の計算
23 留数定理を使った定積分の計算(続き)
24 その他の留数定理の応用
25 無限積入門
26 解析接続
27 解析接続の実例:ガンマ関数とゼータ関数
28 リーマン面
29 まとめ
30 理解度の確認
受講者の理解度を見ながら講義を進めるので、講義の進展具合は「授業内容」の通りとは限らない。しかし、最終的な講義内容は「授業内容」をカバーする。

授業方法

講義形式

準備学習

1年次と2年次1学期に学習した微積分の基本事項を復習しておくこと。

成績評価の方法

第2学期(学年末試験):70%(正則関数の性質の理解と留数定理を利用した計算の実行力)
中間テスト:30%(複素数・複素関数に関する理解と計算の実行力)

教科書

特定の教科書は定めない。参考にすべき文献は、適宜、授業中に指示する。

参考文献

「複素解析」「複素関数」などの言葉が入っている教科書(研究書はのぞく)は参考書になりうる。代表的なものは授業時に指示するが、予習のためにあらかじめ知りたい人は質問に来てほしい。

その他

数学科の学生は「複素関数入門演習」と同時に履修すること。数学科生以外の履修者は、あらかじめ相談してほしい(履修制限などに対応するため)。