関数解析
043-A-616

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
宮島 静雄 講師 2 3~4 第2学期 3

授業概要

現代の解析学における言語とも言える、関数解析の基本概念・基本定理を第一歩から学ぶ.
具体的には,バナッハ空間,ヒルベルト空間上の有界線型作用素の基礎理論について講義する.

到達目標

バナッハ空間やヒルベルト空間について,それらが解析学を展開する最も基礎的な舞台であることを理解し,その定義や基本性質に習熟して自己の数学的語彙として自由に使えるようになる.さらにこれらの空間上の有界線型作用素について特性を表現するノルムやスペクトルその他の基本概念を理解し,解析学の問題に応用できる素地を形成する.

授業計画

1 距離空間についての復習 
ノルム空間の定義と例
2 ノルム空間における収束 部分空間,直和
3 バナッハ空間の定義と例
4 有界線型作用素と作用素ノルム 共役空間 スペクトルとノイマン級数
5 ベールのカテゴリー定理
6 開写像定理と閉グラフ定理
7 ハーン-バナッハの定理
8 内積空間,ヒルベルト空間の定義と例
9 閉凸集合への射影定理,直交射影
10 完全正規直交系の存在定理
11 リースの表現定理とその応用
12 共役作用素の定義と自己共役作用素のスペクトル
13 自己共役作用素の順序
14 コンパクト自己共役作用素のスペクトル分解
15 理解度の確認、まとめ

授業方法

板書による講義。理解度の確認のため受講者に質問をする場合がある。

準備学習

配布された授業用プリントの指示された部分を読んでおくこと.
できれば参考文献の該当箇所も読み,問題を解いたり証明を自分で考えてみる.

成績評価の方法

第2学期(学年末試験):80%
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):20%

教科書

教科書に代わるプリントを配布する.

参考文献

宮島静雄『関数解析』第2版、横浜図書2007年、ISBN=4946552189
谷島賢二『ルベーグ積分と関数解析』(数学の考え方)、朝倉書店2002年、ISBN=9784254115932

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。