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日本政治思想研究
―中江兆民『民約訳解』解読―
112-F-403
担 当 者 |
単 位 数 |
配当年次 |
学 期 |
曜 日 |
時 限 |
M.ブルチャー 講師
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2 |
D/M |
第1学期 |
金 |
3 |

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このゼミでは、明治の名著、ルソー著中江兆民訳『民約訳解』の会読を中心に、明治初中期の翻訳と政治思想の関わりについて考察する。

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このゼミの目標は、第一に、日本の近代政治思想の成立過程に於ける、儒学的知識と外来思想の合流をテキストの熟読を通じて追及すること、第二に、翻訳文と原文(フランス語、それとも英訳と現代日本語訳)を読み合わせながら、思想と言葉の関わりについての理解を深めること、そして第三に、中江兆民の政治思想を、福澤諭吉や中村正直など同時代の思想家との比較に於いて、浮き彫りにさせることである。

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1 |
序論:翻訳と思想 |
2 |
『非開化論』と「文明開化」 |
3 |
『民約訳解』「叙」~「巻之一第1章」 |
4 |
『民約訳解』「巻之一第2章」~「巻之一第5章」 |
5 |
『民約訳解』「巻之一第6章」~「巻之一第8章」 |
6 |
『民約訳解』「巻之一第9章」~「巻之一第10章」 |
7 |
『民約訳解』「巻之二第1章」~「巻之二第3章」 |
8 |
『民約訳解』「巻之二第4章」~「巻之二第5章」 |
9 |
『民約訳解』「巻之二第6章」 |
10 |
『民約訳解』中絶の理由 |
11 |
『理学沿革史』に於けるルソー |
12 |
「心の自由」と『自由之理』 |
13 |
『道徳学大原論』に於けるルソーと孟子 |
14 |
『一年有半』再考 |
15 |
授業のまとめ |

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演習である。主に中江兆民のテキストの書き下し文を、漢文と原文と合わせながら、じっくり会読し、それについて議論する。履修者には音読や説明と、時折関連研究についての発表を求める。

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テキストの該当箇所を必ず詳しく予習してくることが必要である。

- 平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):100%

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山田博雄『中江兆民-翻訳の思想』、慶応義塾大学出版会、2009年、ISBN=9784766416909
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ジャン=ジャック・ルソー『社会契約論』(白水Uブックス)、白水社、2010年、ISBN=9784560721179
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『中江兆民全集』第1巻は品切れとなっているので、『民約訳解』のテクストを配布資料として用意する。なお、古本として手に入れられる可能性は高い。

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履修者数制限あり。(14名)
第1回目の授業に必ず出席のこと。