イノベーション特殊研究Ⅰ
122-F-123・122-F-623

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
和田 哲夫 教授 2 D/M 第1学期 3

授業概要

「イノベーション」という概念には、要素技術研究、製品開発、企業組織構造の革新、長期的な産業構造の変化、など多くの意味が含まれ、それぞれの観点において理論モデル・統計的分析・ケーススタディなど様々な分析手法が適用されてきた。このうち、個別企業の研究開発と知的財産権の活用戦略を考える上で重要な、主に英文の先行研究を学び、その思考枠組みを理解することを目的とする。具体的な各回の講義項目は受講者が目指す研究内容と既修得内容に応じて選択し順序を調整する。

到達目標

博士前期課程の学生は、イノベーションの専門分野において当然理解しておくべき先行研究を学び、応用するための研究基礎力を磨くことを目標とする。
博士後期課程の学生は、イノベーション分野において自立して専門的研究活動を行い、既存の知識体系に対して新規性・進歩性のある独自研究を行うための能力を得ることを目標とする。

授業計画

1 研究開発投入と成果の測定可能性:企業の特許出願や保有特許は研究開発の何を表すか
2 産業構造とイノベーションの実証研究:独占的(寡占的)産業は非革新的か
3 技術専有手段としての知的財産権:特許取得による技術専有、戦略的デメリット、産業ごとの違い
4 ライセンス判断における補完的資産の役割とは
5 研究開発の二面性(知識創出と吸収の補完性)とは
6 研究開発契約・ライセンス契約に求められる戦略的考慮:オープン・イノベーション
7 累積的技術革新と契約
8 企業間知識フローの計測
9 破壊的技術革新
10 アーキテクチュラル・イノベーション
11 知的財産権の執行:巨額訴訟費用は中小企業にとって不利か
12 学術研究機関と産業技術開発:技術開発における大学の役割
13 特許獲得競争における均衡
14 授業の総括
15 理解度の確認

授業方法

主に英文での文献講読。

準備学習

課題として与えられた各回の文献を理解し、中心部分(理論では理論体系のコア、実証ではデータの意味付けと検証手法など)を説明できるようになっておくこと。

成績評価の方法

レポート:50%(前期課程学生タームペーパーとしてリサーチ・プロポーザルを予定する。後期課程学生は博士論文プロポーザルまたはそれに準ずる内容を要求する。)
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):50%(各回の文献内容の理解度を主に評価するが、後期課程学生は理解だけでなく既存研究のギャップ指摘と提案までが求められる。)

教科書

初回配布する予定。

参考文献

初回配布する予定。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。