思想史演習
密教思想研究―
131-F-101

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
松波 直弘 准教授 4 D/M 通年 5

授業概要

空海の『吽字義』を購読する。『吽字義』は、『即身成仏義』、『声字実相義』と併せて三部作に数えられ、空海の密教思想を構築する理論を読み解く上で重要な著述である。空海の思想が日本仏教に大きな影響を与えたことは言うまでもないが、特に密教としての立場を示すために展開される思想的な〈型〉は、仏教のみならず、後の神道論の構築にまで関わる要素となる。そこで本授業では、テキストの精読から空海の思想を読み取ることだけでなく、後の日本思想史に様々に影響しえる事柄にも注目し、空海の思想史的な意義という局面をあらためて検討していきたい。

到達目標

空海の著述を読み、その内容を考察して、その後の思想史的展開までを視野とする。

授業計画

1 ガイダンス・イントロダクション。
2 テキスト、および空海と密教思想についての解説。
3 テキスト講読と討論(以下、年度末まで可能な限りテキスト講読を進める。)

授業方法

演習形式。テキスト講読の担当者を指名し、発表・討論する形で進める。

準備学習

テキストの講読箇所を事前に読んでおくこと。

成績評価の方法

レポート:60%(大学院専門演習のため、授業内で扱った内容、および大学院生自身の専門性を意識すること)
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):40%(授業内での講読担当、およびプレゼンテーション)
年度末レポート、および授業への出席・参加状況、授業内での講読担当・プレゼンテーションを総合して評価する。
※博士前期課程と博士後期課程、それぞれの基準に応じて成績評価を行う。

教科書

空海『吽字義』。授業で使用するテキストは、研究室に用意する。参考文献は、授業内で適宜紹介。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

仏教史や仏教語に関する基礎知識は、履修に問題ないよう授業内で補足する。ただし、テキスト講読にあたって、専門的な辞典や参考文献などを調べることは要求される。また、大学院専門科目であるため、参加する大学院生には、各自の専門性を生かした議論を期待する。