教育行政概説 
教育行政理念の子どもの権利・教育基本法―
138-F-107

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
宮盛 邦友 准教授 2 M 第1学期 6

授業概要

本授業では、教育と教育行政の基礎理念としての、子どもの権利と教育の公共性に関する〈子どもの権利〉と〈教育基本法〉について、教育思想史および教育法学の観点から、分析をする。それを通して、開かれた教職の専門性の教育学的・教育行政学的高度化を思考する。特に、このテーマを深める上で重要な、〈人間と国家〉に関する教育学・教育行政学の文献を、堀尾輝久の教育学・教育法学を中心にして、それに対する批判もふまえて、欧米での教育学・教育科学の研究動向も視野に入れながら、講義および演習をおこなうことにしたい。

到達目標

①子どもの権利の思想史的・法学的な原理・計画を理解する。
②教育基本法の思想史的・法学的な原理・計画を理解する。
③開かれた教職の専門性を教育学・教育行政学から理解する。

授業計画

1 オリエンテーション
2 「子どもの生存・成長・学習を支える新しい社会的共同」と「現代の教師と教育実践」--開かれた教職の専門性に向けて
3 子どもの権利①--人権・子どもの権利・子どもの人権の所在
4 子どもの権利②--人権・子どもの権利・子どもの人権の構造
5 子どもの権利③--現代社会における子どもの権利の目的・任務
6 子どもの権利④--現代社会における子どもの権利の機能・役割
7 子どもの権利⑤--国家・政治と子どもの権利の中立性
8 子どもの権利⑥--国家・政治と子どもの権の自律性
9 子どもの権利⑦--発達・文化・教養と子どもの権利
10 教育基本法①--戦後改革における教育基本法の成立
11 教育基本法②--戦後史における教育基本法の動態
12 教育基本法③--地球時代における教育基本法の意義
13 教育基本法④--改正問題における旧・教育基本法と新・教育基本法
14 「人間形成」と「開かれた学校づくり」--開かれた教職の専門性のために
15 リフレクション

授業方法

授業のすすめ方は教員の講義と学生の発表を基本とする。積極的に発言するなど、主体的に授業に参加することが望まれる。

準備学習

テキストの指定されている箇所を、必ず、読んできてほしい。そして、疑問をもって授業にのぞんでほしい。

成績評価の方法

レポート:40%(2回)
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):60%(12回)

教科書

堀尾輝久『現代教育の思想と構造』、岩波書店1971
堀尾輝久『現代社会と教育』、岩波新書1997
堀尾輝久『教育を拓く』、青木書店2005

参考文献

広田照幸『教育』(思考のフロンティア)、岩波書店2004
広田照幸『《愛国心》のゆくえ』、世織書房2005
広田照幸『格差・秩序不安と教育』、世織書房2009
広田照幸『教育は何をなすべきか』、岩波書店2015
フィリップ・アリエス『〈子供〉の誕生』、みすず書房1980
ジョン・ロールズ『正義論』改訂版、紀伊國屋書店2010
イヴァン・イリッチ『脱学校の社会』、東京創元社1977
ミシェル・フーコー『監獄の誕生』、新潮社1977
パウロ・フレイレ『伝達か対話か』、亜紀書房1982
マイケル・アップル『学校幻想とカリキュラム』、日本エディタースクール出版部1986
宮盛邦友編著『子どもの生存・成長・学習を支える新しい社会的共同』、北樹出版2014
宮盛邦友『現代の教師と教育実践』、学文社2014

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。