身体表象文化史演習
フィクション世界の面白さをどう論じるか―
13C-F-521

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
中野 春夫 教授 4 D/M 通年 3

授業概要

舞台芸術や映像芸術、マンガ、アニメにおけるフィクション世界の面白さはどう論じられるでしょうか?もちろん切り口は無限にあり、テクストの三次元化(プラス時間化)、視覚情報と聴覚(臭覚・味覚・触覚)情報の表現コード、ジャンル特有の約束事(コンヴェンション)、ミメーシスやリアリズム(リアリティー)、ストック・キャラクター、検閲など社会関係による制約などなど、さまざまな論点が考えられます。この授業の目標は参加者それぞれが自分の関心に基づく論点を発見することです。論文(修論、博論、投稿論文)を作成するにあたってなによりも大事なのが自分の関心を特定化し、論文で論ずべき中心テーマを明確に意識することだからです。この授業では参加者の発表と全員によるディスカッションを通じて、この目標を達成していきたいと思います。とくに本年度は論文作成にあたっての注意点を具体的に解説したいと思います。

到達目標

調査までは誰でも楽しく充実感を味わえますが、その後に大きな壁が出現します。調査結果を他人に関心を持ってもらえるようにまとめるにはどうしたらいいでしょうか? 本授業では参加者による発表と全体の討論を通じてどのように論点を選んでいけばよいのかを具体的に指摘しますので、受講生の最終目標はこの指摘を各専門領域で応用していくことです。

授業計画

1 授業のガイダンス・発表者割り当て
2 概論―フィクション世界の論点整理
3 参加者による発表とディスカッションー
舞台芸術
4 参加者による発表とディスカッションー
マンガ・アニメ芸術
5 参加者による発表とディスカッションー
映像芸術
6 参加者による発表とディスカッションー
ジェンダー表象
7 参加者による発表とディスカッションー
表象文化史
8 論文作成指導―
論点の見つけ方
9 論文作成指導―
文献表記の書式
10 概論ーテクストの概念
11 概論ーオノマトペ
12 概論ー臭覚・触覚的情報の視覚化
13 概論ーストックイメージの生成
14 ディスカッションの総括
15 予備日
16 参加者による発表とディスカッションー
舞台芸術
17 参加者による発表とディスカッションー
映像芸術
18 参加者による発表とディスカッションー
マンガ・アニメ芸術
19 参加者による発表とディスカッションー
ジェンダー表象
20 参加者による発表とディスカッションー
表象文化史
21 概論―「未知の空間」の表象史
22 概論―「悪」の表象史
23 概論―「醜」の表象史
24 概論―王権の神秘的表象史
25 概論―天文学想像力の表象史
26 論文作成指導―構成・章立て
27 論文作成指導―引用の仕方
28 論文作成解説
29 ディスカッションの総括
30 予備日
講義と演習のミックス形式になると思います

授業方法

参加者の発表と議論が主となるゼミ形式になります。数回に一回の割合で、私(中野)が社会階層モデル、恋愛と結婚、王国制度、魔術、魔女狩り、怪物等の表象史を解説します(上記の授業スケジュールの概論内容は参加者と相談の上調整することがあります)。

準備学習

修士論文、投稿論文、博士論文など1年間で着想から執筆まで論文をより発展させていくことが最終目標ですので、参加者は毎回というよりは日頃より論文のブラッシュアップを心がけて下さい。

成績評価の方法

レポート:50%
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):50%
レポートと発表、平常点で評価します。博士課程前期と博士課程後期の学生は、それぞれ別の基準で評価します。

教科書

基本的に発表正式ですのでテクストとは使いません。私の概説の際はハンドアウトを配布します。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。