※表象文化制度論演習
映画と身体(幽霊、モンスター、ゾンビ)―
13C-F-621

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
岡田 尚文 助教 4 D/M 通年 2

授業概要

映画は「身体」をどのように捉えてきたのだろうか。本演習では、制度としての映画とスクリーン(モニター)上で表象される身体(あるいはそれを観る人の身体)との複層的な関係について考える。まずはテクストの講読を通じて映画分析/理論と(映画研究における)身体論の基礎を学ぶ。そのなかで、本年度は特に恐怖映画における―幽霊、モンスター、ゾンビといった―「身体」の表象に注目する。後半は、前半の講読・議論を踏まえた上で、参加者各自の研究テーマに絡めた発表をしてもらう。映画と隣接する学問諸領域(マンガ・アニメーション、演劇ほか)における身体表象のあり方についても適宜参照しながら議論を深めたい。

到達目標

映画(映像)研究における基礎的な理論を習得すること。自らの研究テーマに関して表象文化論/身体論的な観点から批判的にアプローチできるようになること。

授業計画

1 イントロダクション、テクスト・参考文献解説
2 総論:アントワーヌ・ド・ベック「スクリーン―映画における身体」(2006年)を読む
3 ボディ・ジャンル論I:Linda Williams,"Film Bodies: Gender, Genre, and Excess"(1991年)を読む
4 ボディ・ジャンル論II:加藤幹郎「恐怖映画とポルノグラフィ―おぞましさのスペクタクル」(1996年)を読む
5 ホラー映画論:ロビン・ウッド「アメリカのホラー映画 序説」(1979年)を読む(1)
6 ホラー映画論:ロビン・ウッド「アメリカのホラー映画 序説」(1979年)を読む(2)
7 幽霊映画論(西洋):Lynda Badley, "Spectral Effects: Postmodern Ghosts"(1995年) を読む(1)
8 幽霊映画論(西洋):Lynda Badley, "Spectral Effects: Postmodern Ghosts"(1995年) を読む(2)
9 ゾンビ映画論I:Steven Shaviro, "Contagious Allegories: George Romero"(1993年)を読む(1)
10 ゾンビ映画論I:Steven Shaviro, "Contagious Allegories: George Romero"(1993年)を読む(2)
11 ゾンビ映画論II:渡邊大輔「生ける屍のゆくえ―ゾンビ映画の現代性」(2013年)を読む
12 幽霊映画論(日本)I:横山泰子「四谷怪談映画のお岩たち―歌舞伎と別れ、別の女へ」(2008年)を読む
13 幽霊映画論(日本)II:鷲谷花「『リング』三部作と女たちのメディア空間―怪物化する「女」、無垢の「父」」(2008年)を読む
14 幽霊映画論(東洋):晏妮「人間と幽霊/妖怪の間―中華映画圏の怪奇映画小論」(2007年)を読む
15 スクリーニング(1)
16 前半のまとめ
17 スクリーニング(2)
18 以下、27回目まで学生の研究発表と参加者による議論
19
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26
27
28 スクリーニング(3)
29 スクリーニング(4)
30 まとめ
受講者の研究テーマ、関心によって内容を変更する場合がある。

授業方法

テクストの講読と研究発表・議論を中心とする演習形式の授業。毎回、発表担当者を決める。

準備学習

テクストの講読に際しては、発表担当者が準備するのはもちろんのこと、その他の学生も事前にテクストの該当部分を読み、関連する映像作品をも参照しておくこと。

成績評価の方法

レポート:50%(研究発表の内容を的確に文章にまとめる。)
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):50%(積極的な参加を求める。)
博士前期課程の学生と博士後期課程の学生は、それぞれ別の基準で評価する。
学部学生は、学部科目の基準で評価する。

教科書

特定の教科書は定めない。必要なテクストについては適宜、コピーを配る。

参考文献

授業中に紹介する。

履修上の注意

履修者数制限あり。
第1回目の授業に必ず出席のこと。