物理化学特論Ⅴ
142-F-735

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
河野 淳也 教授
三枝 洋之 講師
坂本 章 講師
2 D/M 集中(通年)

授業概要

今年度は,横浜市立大学の三枝洋之教授,青山学院大学の坂本章教授に,それぞれ気相分子のレーザー分光,凝縮相の振動分光について講義をしていただきます。
 
三枝洋之講師
DNAなどの核酸塩基構造やタンパク質などの機能は,分子が凝集し,ある特定の構造が形成されることにより発現する。このような生体分子の機能を理解するためには,それぞれの分子固有の性質を知ることが重要である。本講義では,生体分子を周りの影響を受けない気相状態にし,レーザー分光により構造や性質を調べる手法について解説する。
 
坂本章講師
赤外・ラマンスペクトルの解析法について解説する。具体的には,赤外・ラマンスペクトルの元となる分子振動と,分子振動と赤外・ラマンスペクトルとの関係に関する基礎的理論を解説し,その後,赤外・ラマンスペクトルを量子化学計算によってシミュレートする手法について解説する。
 
 

到達目標

分子分光学の基礎を理解し,研究に応用できるようになる。

授業計画

1 分子を気相状態にする
2 レーザー分光法の基礎
3 生体分子の性質(互変異性化,水素結合)
4 生体分子の立体構造(核酸塩基,アミノ酸)
5 分子集合体の形成(核酸塩基対,スタッキング,水和)
6 赤外吸収とラマン散乱の基礎
7 分子振動に関する基礎的事項
8 赤外吸収とラマン散乱の選択律
9 非経験的分子軌道法(ハートリー-フォック法)
10 密度汎関数法
11 構造最適化と振動数計算,基底関数系
12 振動スペクトルシミュレーションの精度(信頼性)

授業方法

講義形式で行う。

準備学習

これまでに学んだ量子論の基礎について復習しておくこと。

成績評価の方法

レポート:90%
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):10%