幾何学特論Ⅲ
143-F-823

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
細野 忍 教授 2 D/M 第2学期 2

授業概要

多項式環のイデアルと多変数超幾何微分方程式に関するトピックスについて入門的講義をする.

到達目標

1. 多変数多項式環のグレブナー基底の性質とそれを計算するアルゴリズムを学ぶ.
2. 多項式の共通零点として表される代数多様体に関する基本事項について学び,トーリック多様体とトーリックイデアルについて学ぶ.
3. トーリックイデアルに対して自然に定義される多変数超幾何微分方程式系, Gel'fand-Kapranov-Zelevinsky(GKZ)方程式系, について基本事項を学ぶ.
 
3つの項目はそれぞれ独立したテーマであるが,これらが相互に関連する様子に着目する.

授業計画

1 1. 多項式環のイデアルとグレブナー基底
 
 (1-1)多項式環のイデアルと単項式順序
2  (1-2)ヒルベルトの基底定理
3  (1-3)グレブナー基底とアルゴリズム
4  (1-4)応用--変数消去のアルゴリズム
5 2. トーリック多様体とトーリックイデアル
 
 (2-1) イデアルの基本演算
6  (2-2) ヒルベルトの零点定理
7  (2-3) アフィントーリック多様体
8  (2-4) トーリックイデアル
9  (2-5) 扇とトーリック多様体
10 3. GKZ超幾何微分方程式系
 
 (3-1) トーリックイデアルと微分方程式
11  (3-2) 形式解と二次扇
12  (3-3) 周期積分への応用
13 講義内容の総まとめ
14 予備日

授業方法

板書による.

準備学習

講義の進行具合によって,一部割愛または補足して実施する.

成績評価の方法

レポート:90%(熱意をもって取り組んでいるか)
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):10%

参考文献

D.A.Cox, J. Little, D. O'Sha, Using Algebraic Geometry, (GTM) Second Edition, Springer, 2004, ISBN:0-387-20706-6
その他,講義の進行に応じて指示する。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。