言語と文化B
日本語コミュニケーション研究―
007-D-010

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
新井 保裕 講師 4 通年 5

授業概要

本授業では異文化コミュニケーションの観点から日本語コミュニケーションを見、実際にコミュニケーション行動研究を実践することで、日本語コミュニケーションの共通性と多様性に対する理解を深めていく。前半は異文化コミュニケーションは異なる国、言語、文化にのみ見られるものではなく身近に存在するものであるという立場に立ち、日本語コミュニケーションについて再考察する。後半は個人的な経験や感想という主観的なものからコミュニケーション行動を論じるのではなく、フィールドワークに基づく質的・量的調査結果や先行研究に基づき、コミュニケーション行動を実証・論証できるようになることを目指す。

到達目標

異文化コミュニケーションの観点から日本語コミュニケーションの共通性と多様性を学術的に理解するだけでなく、友人間や就職活動等、様々な日本語・異文化コミュニケーション場面で生じ得る問題の原因を自ら究明し、それを解決できる実践力を養う。

授業計画

1 異文化コミュニケーションから見る日本語コミュニケーション
2 メディアに見られる日本語コミュニケーション
3 言語行動コミュニケーション① 謝罪行動
4 言語行動コミュニケーション② 感謝行動
5 言語行動コミュニケーション③ 謝罪と感謝の関係
6 言語行動コミュニケーション④ 挨拶行動
7 言語行動コミュニケーション⑤ 名前呼称、代名詞呼称
8 言語行動コミュニケーション⑥ 肩書呼称、親族語呼称
9 言語行動コミュニケーション⑦ 呼称の使われ方
10 非言語行動コミュニケーション① ジェスチャー
11 非言語行動コミュニケーション② スキンシップ
12 メディア・コミュニケーション① 携帯電話の情報行動
13 メディア・コミュニケーション② 携帯メールの言語行動
14 日本語コミュニケーション・モデル
15 理解度の確認
16 コミュニケーション行動研究概論
17 コミュニケーション行動研究開始方法 先行研究の見つけ方・読み方
18 学生発表題目報告
19 コミュニケーション行動の調査方法① 量的調査と質的調査、調査の種類
20 コミュニケーション行動の調査方法② アンケート調査票の構成
21 コミュニケーション行動の調査方法③ インターネットによるアンケート調査
22 学生中間発表① 言語行動
23 学生中間発表② 非言語行動・メディア
24 コミュニケーション行動の分析・考察方法① 質的分析と量的分析
25 コミュニケーション行動の分析・考察方法② 統計分析
26 学生最終発表① 言語行動
27 学生最終発表② 非言語行動
28 学生最終発表③ メディア
29 授業の総括
30 自主研究
受講者の人数、要望等に応じて上記授業計画を変更する可能性がある。

授業方法

第1学期は基本的に講義形式で行うが、毎回リアクションペーパーを提出してもらうほか、適宜質問時間、議論時間を設ける。
第2学期は講義形式と演習形式の両方で行い、受講者にグループワークを通じて自らコミュニケーション行動調査を実践、発表してもらう形をとる。

準備学習

・事前に配布するレジュメに沿って、次回授業で扱うコミュニケーション行動調査について回答するとともに、その調査内容を批評すること(第1学期:1時間)
・自身でコミュニケーション行動調査を計画、実施し分析すること(第2学期:1時間)
・授業で提示した資料の必要部分をすべて読み返し、疑問部分をまとめておくほか、自分自身が行う調査にどのように活かせるか考えること(通年:1時間)
・必要に応じて、授業内で提示された参考文献に目を通すこと(通年:1時間~2時間)

成績評価の方法

レポート:30%(第1学期末にレポートを課し、コミュニケーション行動研究の批評と改善を行ってもらい、評価する。)
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):40%(毎回のリアクションペーパーや授業参加度をもとに評価する。)
学年末発表:30%(発表題目報告、中間発表を通じて教員や他受講者から得たフィードバックをもとに最終発表を行ってもらい、評価する。)
毎回提出のリアクションペーパーは次回授業で教員が一部に対して回答してフィードバックを行う。また第2学期はグループワークを行なってもらうが、都度授業内で各グループに対してコメントを行う。

教科書

一つのテキストではなく、担当教員が作成したppt、レジュメを用いることで、異文化コミュニケーションに関する広い知見を得られるようにする。教材は以下HPより期間限定でダウンロードできる。
https://sites.google.com/site/araihoyu/

参考文献

授業時間内に適宜指示する。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

コミュニケーションは言語が重要な役割を担うものであるため、日本語や外国語など言語に高い関心を持つ学生の受講を歓迎する。