日本語表現法D
007-D-012

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
吉田 美登利 講師 2 第2学期 4

授業概要

初年次の科目として「論理的思考の育成」「大学における学び方」「作文・レポートの書き方」を身に付けることを目指します。大学における学びについてですが、この授業では高校までのように決められ教科書はありません。決まった正解があり、テストで確認するという以外のタイプの授業は大学には多くあります。そこで、この授業では、自分で様々な資料を集め、それについて検討し考えを深めること、他者の意見を踏まえたうえで、自分の意見を論理的に表明すること、など段階的に学んでいきます。授業はクループディスカッションを中心に進めていきます。

到達目標

1. 文章を書くことへの苦手意識をなくし、書きたいことを分かりやすく表現できるようにする。
2. 意見文、レポートの構成や表現方法を学ぶ。
3. 構想の立て方、アウトラインの組み立て方を学ぶ。
4. 自分の書いた文章を客観的に見て、自己訂正できる力を養う。
5.  グループディスカッションを通して、自分の意見を口頭で分かりやすく伝える能力やコミュニケーション能力を身に付ける。

授業計画

1 オリエンテーション、履修者抽選 
文章の基礎「だ・である体」「原稿用紙の使い方」 
2 オンラインによる海外との作文交換活動
3 作文のアイディアの広げ方
4 オンラインによる海外との作文交換活動
5 パラグラフ・ライティング(中心文・支持文)
6 アウトラインの作り方
7 意見文作成(時事問題をテーマとします)
8
9
10
11 レポートの書き方(1)
引用の仕方、参考文献の書き方
12 レポートの書き方(2)
アウトライン、目標規定文、はじめにの書き方
13 レポートの書き方(3)レポートの第一次提出 
(章と章がうまく繋がっているか、論理の流れが適切か、レポートの形式が正しいか、などについて確認、訂正を行う)
14 レポートの書き方(4)
レポートの書き方まとめ
15 レポート本提出 1人1人のレポートの内容と形式を最終確認します。
オンラインでの作文交換活動は、他の大学(国内、海外)の事情により時期が多少前後する可能性があります。

授業方法

(1)「作文に書くことが思い浮かばない」ということがないように、書く前の段階(構想と構成)でアイディアの 広げ方、組み立て方を学びます。
(2)課題について、様々な角度から書かれた文章(新聞記事など)を読み比べ、またグループディスカッションを通して自分の意見を論理的に述べられるようにします。
(3)書きあがった作文について、教員の添削の前にグループ内(5人程度)で回し読みをします。グループ内で1番良いと思った作文を選び、その理由とともにクラスに発表します。このような作業を通して「良い文章」というものはどんなものか考えられる力を身に付けます。
(4)自分で、あるいはグループのアドバイスを受け、修正作業を行います。

準備学習

・ 毎回、作文、アウトライン作成、参考資料の準備などの宿題があります(約60分)。
・ グループディスカッションのテーマとして、興味を持った時事問題を紹介してもらいます。毎日、新聞およびテレビのニュースなどから情報を仕入れ、そのテーマについて考えるようにしておいてください(約60分)。

成績評価の方法

平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):10%(グループ活動での貢献度については10点満点で評価します(笑顔で相手の話を聞く、話題となる時事問題について積極的に情報を仕入れ準備する、などは加点、作文を忘れて議論が出来ない、自分の意見が「特になし」など、は減点)。)
毎回の提出物(作文、レポートなど):90%(作文は規定の字数(600字~800字)に満たないものは不可とします。)
 課題の提出(欠席は5回以上で単位が出ない)、作文5編とレポート1編の平均点で評価が決まります。作文・レポートは90点満点で評価します。評価基準は「構成、内容、言語形式」です。①構成は、自分の意見が論理的につながっているか。意味のまとまりごとに段落があるか。②内容については、説得力があるか、個性的か(ありきたりの意見ではないか)、反論への予防があるか、③言語形式は、授業で習った言語形式(接続表現、文体、引用の表現)や漢字などが適切に使われているか、の3点から評価します。
 「大学での学び」の評価は、作文、レポートに成果として現れたものとして「作文・レポート評価」に含めるものとします。なお、引用元が明記されないもの、引用の範囲が曖昧なものは剽窃とみなし、0点とします(レポート仮提出の際に必ず提出し、教員のチェックを受けてください)。
 グループ活動での貢献度については10点満点で評価します(笑顔で相手の話を聞く、話題となる時事問題について積極的に情報を仕入れ準備する、などは加点、作文を忘れて議論が出来ない、自分の意見が「特になし」など、は減点)。
  作文・レポート(90点)+グループ活動の貢献度(10点)=合計100点

参考文献

大島弥生・池田玲子・大場理恵子・加納なおみ・高橋淑郎・岩田夏穂『ピアで学ぶ大学生の日本語表現・プロセス重視のレポート作成』、ひつじ書房2005年、ISBN=9784894762299
木下 是雄『レポートの組み立て方』、ちくま学芸文庫1994年、ISBN=9784480081216
テーマは時事問題を中心に扱います。新聞記事などについてプリントを配布します。

履修上の注意

履修者数制限あり。(25名)
第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

希望者多数の場合は抽選を行います。日本語表現法C/Dは同じ内容を行います。日本語表現法C/Dを希望する者は、いずれも必ず第1学期1回目の講義に出席してください。連絡先メールアドレスは授業中にお伝えします。