イスラム世界
教義、学問、西欧世界との関係―
007-D-035

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
橋爪 烈 講師 4 通年 5

授業概要

第1学期はイスラーム勃興の背景とその教義、そして初期の政治史を中心に授業を進める。第2学期はイスラーム世界において行われた諸学問の概要及び西欧との関係について講義する。これによってイスラーム世界の基本事項をおさえるとともに、特に西欧世界との密接な関係を理解させることが本授業の目的である。

到達目標

現代世界で起こっている様々な出来事や事象を、中東、イスラームからの視点でも考えられるようになる。

授業計画

1 授業実施についての説明、アラビア語について
2 イスラーム前史:一神教の概要と東方キリスト教世界
3 イスラーム前史:ジャーヒリーヤ史
4 ムハンマドの生涯とイスラームの成立:マッカ時代
5 ムハンマドの生涯とイスラームの成立:マディーナ時代
6 イスラームの教義(六信:神、天使、啓典)
7 イスラームの教義(六信:預言者、来世、運命)
8 イスラームの教義(五行:信仰告白、礼拝、斎戒)
9 イスラームの教義(五行:喜捨、巡礼)、ジハード、祝祭など
10 カリフ制の成立と「正統カリフ」時代
11 第一次内乱と分派の発生
12 スンナ派、シーア派、ハワーリジュ派
13 ウマイヤ朝と第二次内乱
14 アッバース朝「革命」
15 第1学期まとめ
16 平安の都バグダード
17 都市とワクフ制度
18 ウラマー(知識人)とマドラサ
19 イスラーム諸学:ハディース学、法学
20 イスラーム諸学:神学、政治思想
21 外来の学問:翻訳活動
22 外来の学問:アラビア科学(数学・天文学・自然学)
23 外来の学問:アラビア科学(錬金術・医学・薬学)
24 外来の学問:哲学
25 アラビア科学・哲学の西欧への影響
26 タサウウフ(イスラーム神秘主義)
27 西欧のイスラーム観
28 十字軍とレコンキスタ
29 オスマン朝と西欧列強の進出
30 第2学期まとめ
授業の進度や受講者の興味・関心によって内容を変更する場合がある。

授業方法

講義形式。授業ごとにプリントを配布する。毎回の授業の冒頭ないし半ばに、前回の質問・コメントに応える時間を取る。

準備学習

講義内容や配布資料中の語句について、参考文献等を用いて調べておくこと(30分程度)。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):30%(第1学期の講義内容について理解したことを論述形式で提示してもらう。理解が正確であるか、また理解した内容を分かりやすく伝えることができているか、という点に注目し、評価する。)
第2学期(学年末試験):30%(第1学期と同様である。)
レポート:10%(課題に対して、独創的な見解や自らの経験を交えた文章を書いた者に高評価を与える。)
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):30%(コメントペーパーは出席確認を兼ねているので、毎回提出すること。コメントペーパーには授業内容についての疑問点・関連事項に関する質問・感想などを書くこと。その内容を次回授業で取り上げたものについては、成績評価に反映し、白紙での提出が多い者については減点する。)

教科書

教科書は特に指定しない。

参考文献

大塚和夫 他編『岩波イスラーム辞典』第1版、岩波書店2002
上記以外の参考文献は授業中に随時指示する。

その他

基本的には授業後に質問等を受け付ける。また毎回配布するプリントに担当者のメールアドレスを記載するので、個別に連絡を取りたい学生は、そのアドレスにメールを送ること。