心理学E
西欧思想に拠る実証科学心理学と実践意義―
007-D-053

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
上淵 寿 講師・他
4 通年 4

授業概要

「心理学」という学問は、世間一般で言われるような遊び感覚の気持ちの研究ではない。人のする行動や行為はすべて心理学研究の対象である。そして,心理学は科学である。このように,心理学とは何かをしっかり理解してもらうことが重要である。また,この講義では,科学的心理学に至るまでの歴史的な道筋について,古代ギリシャの哲学から始まり,中世の哲学,ルネッサンス以降の哲学,経験論と合理主義,意識の科学的研究,といった流れを理解してもらいたい。また,科学的心理学成立以降の,ゲシュタルト心理学,行動主義,精神分析,さらに新行動主義,認知心理学,人間性心理学等の台頭についても,理解して欲しい。
 さらに,心理学の様々な下位領域について受講者によく知ってもらい,各受講者の専門にできるだけ生かせるようにしていきたい。

到達目標

心理学についての基礎知識を修得し,それを考察することによって自らの意見を持ち,自分の言葉で説明できるようになる。また,心理学が人の心を扱う性質上,研究の倫理について理解できるようになる。

授業計画

1 オリエンテーション1 心理学とはなにか(1)
2 心理学とはなにか(2),心理学の歴史(1)古代ギリシャ哲学から啓蒙主義まで
3 心理学の歴史(2)啓蒙主義から意識の心理学,精神物理学,科学的心理学の誕生まで
4 心理学の歴史(3)20世紀以降の心理学の潮流ー 行動主義,ゲシュタルト心理学,精神分析を中心に
5 心理学の歴史(4)20世紀後半以降の心理学の変化ー 認知心理学等の台頭。日本における心理学の歴史
6 現在の心理学の主な分野と関連領域,心理学の実践的な意義
7 心理学の科学としての考察,実証科学としての心理学の研究方法
8 パーソナリティ(1) パーソナリティの理論、構造
9 パーソナリティ(2)パーソナリティの測定、診断
10 知能(1) 知能の定義,理論,構造
11 知能(2) 知能の測定,診断
12 心の障害
13 心と問題行動
14 まとめ
15 自主研究
16 オリエンテーション2 心理学について深く探求する
17 発達心理学(1)概要
18 発達心理学(2)乳児期・児童期
19 発達心理学(3)青年期・成人期・老年期
20 社会心理学(1)概要
21 社会心理学(2)ミクロな社会心理学
22 社会心理学(3)マクロな社会心理学
23 脳と心
24 知覚・感覚
25 学習
26 認知(1)記憶と理解
27 認知(2)思考
28 感情
29 まとめ
30 自主研究
受講者と相談の結果、授業計画を変更する可能性がある。

授業方法

一般的な講義形式である。授業者が毎回の内容の概要を提示し、それに基づいて各論を講義し、最後に総括する。基本的には、PowerPoint等を使ったスライドショー形式での授業となる。スライドショーや授業者の説明の定着を図る。また、DVD等の視聴覚教材も積極的に利用する。さらに、一方的な講義だけではなく、受講者とのインターラクションも重視する。さらに,心理学の教材を利用して実習等を行うこともある。

準備学習

前回の授業の内容を十分復習しておくこと(30分)。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):50%(授業内容の理解)
第2学期(学年末試験):50%(授業内容の理解)
出席せずに資料だけをコピーして読んで高得点をとろうとしても,難しい。また,ただ出席しているだけでは評価されない。資料に拠る説明,口頭での補足,視聴覚教材の理解等,に基づく総合的な授業内容の理解が必要である。

教科書

教科書は使用しない。

参考文献

参考文献は,講義中に適宜指示する。

履修上の注意

履修者数制限あり。(120名)
第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

初回授業で,シラバスは全く読んでいない受講者がとても多いが,とんでもないことである。初回授業でシラバスを読んでいない学生には受講を認めない。「履修上の注意」にも書いたように,初回授業に出席していない学生にも受講を認めない。
 
最近,講義に遅れて堂々と資料だけ取って帰るような恥知らずな受講者が増えている。そのような学生には非常に厳しく対応する。また,こちらから注意しなければ私語をやめない人も目立つ。まじめに講義を受けている人の邪魔でしかないので,やめること。