民法演習
重要判例の検討―
011-B-320

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
岡 孝 教授 4 3~4 通年 5

授業概要

事前に各判例について割り当てを行う。担当者はレジュメを作り、それを発表しつつ、全員で議論し、論点の理解を深める。

到達目標

教科書に引用される重要判例はどのような事実関係のもとに生まれたものかを理解してもらいたい。
また、数回に1回は公式判例集を使って、第1審、控訴審、上告理由、最高裁の判断を丁寧に読んでいきたい。その過程で論点が複数ありながら最終的に1つないし2つに絞られていくことを理解し、また、なぜそのように論点が絞られていくかを推測してもらいたい。

授業計画

1 担当の割り当て
2 事務管理と法定代理(最判昭36.11.30民集15-10-2629)
3 不法原因給付(最判昭40.12.17民集19-9-2178)
4 夫と嫡出推定を受ける子との間の親子関係不存在確認の訴えの可否(最判平26.7.17民集68-6-547)
5 被害者の素因(最判平12.3.24民集54-3-1155)
6 使用者責任―暴行(最判昭44.11.18民集23-11-2079)
7 被用者の権限濫用についての相手方の重過失(最判昭42.11.2民集21-3-697)
8 忘恩行為による贈与の撤回(最判昭53.2.17判タ360-143)
9 賃借人は177条の第三者にあたるか(最判昭49.3.19民集28-2-325)
10 背信的悪意者からの転得者(最判平8.10.29民集50-9-2509)
11 盗品の取得と194条(最判平12.6.27民集54-5-1737)
12 詐害行為取消権の按分的行使の拒否(最判昭46.11.19民集25-8-1321)
13 売主の保証債務とは(最大判昭40.6.30民集19-4-1143)
14 債権譲渡通知の同時到達(最判昭55.1.11民集34-1-42)
15 異議を留めない承諾と抵当権の復活(最判平4.11.6判時1454-85)
16 数量超過売買(最判平13.11.27民集55-6-1380)
17 瑕疵担保責任の期間制限と消滅時効(最判平13.11.27民集55-6-1311)
18 使用貸借の成否(最判平8.12.17民集50-10-2278)
19 借地権の譲渡・転貸(最判平9.7.17民集51-6-2882)
20 敷金返還債務の承継(最判昭44.7.17民集23-8-1610)
21 敷金返還請求権の発生時期(最判昭48.2.2民集27-1-80)
22 請負人の担保責任(最判平9.2.14民集51-2-337)
23 受任者の善管注意義務(最判昭53.7.10民集32-5-868)
24 受任者の利益のためにもなされた委任の解除(大判大9.4.24民録26-562)
25 組合員の任意脱退(最判平11.2.23民集53-2-193)
26 騙取金による弁済(最判昭49.9.26民集28-6-1243)
27 性別の取り扱いの変更の審判を受けた者の妻が婚姻中に懐胎した子についての嫡出推定(最判平25.12.10民集67-9-1847)
28 法人の不法行為(最判昭37.9.7民集16-9-1888)
29 失踪宣告取消し前の善意でした行為(大判昭13.2.7民集17-59)
30 予備日
新しく参加する学生諸君の希望を取り込んだり、学期中に重要判例が出た場合にそれを検討することも考えたい。

授業方法

レジュメに即して議論し、理解を深めることとしたい。

準備学習

①担当者はレジュメを準備し、事前に提出して添削を受けること。
②担当者以外の受講生は教科書等で関連個所を予習しておくこと。

成績評価の方法

レポート:50%(後述参照)
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):50%(担当判例のレジュメの準備や当日の発言内容)
2018年1月31日24時締切で、レポートを作成して提出してもらう。テーマは相談で決める(各人別々のテーマ)。書式、字数などは初回の授業で説明する。テーマの相談は随時受け付ける。

参考文献

各回のテーマについての参考文献はその都度紹介する。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

割り当てられた判例のレジュメは事前に提出し、修正の必要があればすぐに修正してほしい。それを事前にGportに掲載する。他の受講生はそれをコピーして授業に臨んでほしい。関係分野の教科書・参考書なども持参すること。