東アジア国際関係論Ⅰ
012-B-331

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
大嶋 英一 講師 2 1~4 第1学期 4

授業概要

日本を含む現在の東アジアの状況は戦前の状況とは大きく異なっている。現在東アジアで起きていることは、突然発生したものではなく、歴史的な流れと域内・域外の国々の相互作用によって生じているものである。第1学期は、東アジアの現状を理解する上で基礎となる大きな歴史的流れを政治経済両面から概観する。

到達目標

国際社会は国内社会とは大きく異なる側面を多く持っており、それが国際問題の理解を妨げる要因となっている。そこで本コースでは、東アジアの国際関係を歴史的視点から眺めることを通して大きな視野から東アジアの国際関係に関する基礎知識を身につけ、東アジアで現在起きている状況を単発的に捉えるのではなく、歴史の流れの中で冷静かつ客観的に捉え、説明できるようになることを到達目標とする。

授業計画

1 Introduction:到達目標説明、参考文献紹介、国際関係理論の基礎など
2 東アジアの伝統秩序と帝国主義:アヘン戦争から辛亥革命まで
3 明治維新と日本の大陸進出の要因
4 日中戦争と中国革命
5 小総括1 戦前の東アジア国際秩序
6 戦後日本の復興:民主化、新憲法と平和条約、再軍備と日米安保条約、賠償とODAなど
7 冷戦の東アジアへの浸透:国連とブレトン・ウッズ体制、中国内戦と朝鮮戦争、
8 東アジアの冷戦構造:中ソ同盟、サンフランシスコ平和条約、日米安保条約、日華平和条約、日韓正常化など
9 東南アジア諸国の独立とベトナム戦争
10 中ソ対立と米中接近、日中国交正常化、沖縄返還
11 小総括2 戦後の東アジア国際秩序:戦前との比較、冷戦構造、日米同盟など
12 東アジアの経済関係:日本の高度成長、アジア NIES、ASEAN、福田ドクトリン
13 中国の改革開放政策と天安門事件
14 総括 変動する東アジア国際秩序:冷戦終結と中国の台頭
15 まとめ

授業方法

スライドを使用した講義を主体とするが、人数が少ない場合には「発表」など参加型学習も考える。

準備学習

1.東アジアの近現代史に関し、開講前に高校用世界史B及び日本史Bの教科書で復習しておいてほしい(各2時間程度)。
2.授業回数第1〜5回の間に、教科書『それでも日本人は「戦争」を選んだ』を読んで、日本がなぜ戦争に突き進んだのかその要因について考えてほしい。高校生向けの講演を元にまとめた本で分かりやすいが中味は大変示唆に富むので是非熟読してほしい(毎回30分程度)。
3.本コースでは毎回「今週の国際ニュース」を3点選んで提出させることにしているが、それにより現在世界で起きている問題について関心を持つと同時に、メディアの利用法を身につけてほしい(毎回20分程度)。
4. 本コースでは毎回レジメを配布する他、講義で使用したスライドを1週間に限りG-Portにアップロードするので、両者を使用して復習してほしい(毎回30分程度)。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):45%(試験は、選択問題と記述問題を混合。記述問題に関しては、正確性と論理性を重視する。)
レポート:40%(課題を与えてリサーチペ−パーを作成する。様々な側面を考慮して検討しているか。論理的な記述となっているか?自分の意見を含めているか。引用や参考文献を明記しているか等を評価の基準とする。採点後返却し講評を行う。)
「今週の国際ニュース」(毎回提出):15%(ニュースをきちんとフォローしているか否か)

教科書

加藤陽子『それでも日本人は「戦争」を選んだ』、新潮社2016年、ISBN=9784101204963

参考文献

第一回講義の際に参考文献リストを配布する