マクロ経済学(経済学科)
021-A-211

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
宮川 努 教授 4 2~4 通年 3

授業概要

基礎マクロ経済学で学んだ内容をベースとして、短期と長期のマクロモデルを包括的に解説する。前半は、消費行動と投資行動を詳しく見たうえで、標準的な短期マクロモデルと、それを使ったマクロ経済政策について講義を行う。後半は、基礎マクロ経済学では十分に触れられなかった長期の経済成長について詳しく解説する。

到達目標

本講義については4つの到達目標を設定する。一つは、様々な消費行動と投資行動についてその特徴を理解することである。二つ目は、その消費行動と投資行動を使った短期的なマクロモデルの構造を理解することである。三つ目は、短期モデルから導かれる財政政策と金融政策の効果を理解することである。最後は、マクロ経済の長期的な動きである経済成長について、基本的なモデルを説明した上で、近年の日本の成長戦略との関係を理解することを目指す。

授業計画

1 講義の狙いと進め方についての解説
2 異時点間の消費行動の解説:異時点間の消費選考と予算制約
3 異時点間の消費行動の変動要因
4 ケインズ型の消費行動
5 日本の消費の特徴
6 前期中間試験及び日本の投資の特徴
7 標準的な投資行動
8 投資行動の変動要因
9 様々な投資理論:Jorgenson型投資行動、TobinのQ型投資行動
10 AD/AS分析の復習(1):新古典派のケース
11 AD/AS分析の復習(2):ケインズ派のケース
12 IS/LM分析
13 IS/LM分析の国際経済への拡張
14 IS/LM分析と経済政策:後期授業への準備
15 第1学期講義の総括
16 日本の財政の現状
17 IS/LM分析における財政政策
18 異時点間の消費行動と財政政策の効果
19 日本の財政の課題
20 IS/LM分析における金融政策
21 新しい金融政策の考え方
22 1990年代以降の日本の金融政策
23 後期中間試験及び政府の裁量的政策に対する考え方
24 生産の構造
25 ソローモデルの解説
26 ソローモデルにおける技術進歩の役割
27 成長会計
28 経済成長と成長戦略の関係
29 日本の成長戦略の系譜と課題
30 第2学期講義の総括
すべて講義形式で行う。第23回までは、宮川努・滝澤美帆「グラフィックマクロ経済学」第2版(新世社)を使い、第24回以降の授業に関しては、「ジョーンズマクロ経済学(成長編)」(東洋経済新報社)をもとにした資料を配布する。

授業方法

講義形式で行う。授業の要点については必ずノートをとること。

準備学習

授業では、教科書とそれを補完する資料を使って解説する。資料は事前に配布するため、授業前には対象となる教科書の部分と資料を最低30分は予習しておくこと。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):35%(様々なの投資理論の特性及び短期のマクロモデルに関する正確な理解が評価のポイントになる。)
第2学期(学年末試験):35%(金融政策の効果と基本的な成長理論にもとづく成長戦略の理解が評価のポイントになる。)
小テスト:30%(前期と後期の2度実施する(各15%)。前期は、教科書の第5章、後期は、教科書の第10章を試験範囲とする。前期は、様々な消費行動の特性を理化しているか、後期は日本の財政状況と財政政策の効果に関する理解が適確かどうかが評価のポイントなる。)

教科書

宮川 努・滝澤 美帆『グラフィック マクロ経済学』第2版、新世社2011

参考文献

チャールズ・ジョーンズ著、宮川・荒井・徳井・大久保・釣・細谷訳『ジョーンズ マクロ経済学』原書第2版、東洋経済新報社2011

その他

授業内容が基礎マクロ経済学と連動しているので、基礎マクロ経済学の内容を十分修得していることが履修の要件である。