地方財政論
021-B-310

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
小林 航 講師 4 3~4 通年 2

授業概要

この講義では、政府間機能配分論や政府間財政移転論などの基礎理論を学びながら、地方税や地方交付税などの地方財政制度について理解を深める。

到達目標

地方財政に関する基礎理論を踏まえ、地方財政制度のあり方について自分で考察できるようになることを目指す。

授業計画

1 地方財政の現状と課題1:法定受託事務と課税自主権
2 地方財政の現状と課題2:地域間格差と持続可能性
3 機能配分論1:資源配分機能と分権化定理
4 機能配分論2:所得再分配機能と経済安定化機能
5 地方公共財1:混雑費用と規模の経済
6 地方公共財2:便益波及効果と定率補助金
7 財政移転論1:水平的公平性と人口移動
8 財政移転論2:水平的財政調整と地方交付税
9 集権と分権1:集権的供給と共有財源問題
10 集権と分権2:便益波及問題と政府間交渉
11 地方債1:人口移動と食い逃げ問題
12 地方債2:地方公共財と地方債原則
13 1学期のまとめ1:地方財政の基礎理論
14 1学期のまとめ2:日本の地方財政制度
15 1学期の要点確認
16 地方税原則1:偏在性と安定性
17 地方税原則2:租税競争と租税輸出
18 個人所得課税1:所得割と均等割
19 個人所得課税2:フラット化と税源移譲
20 法人所得課税1:所得割と外形標準課税
21 法人所得課税2:分割基準と偏在是正措置
22 消費課税1:地方消費税と清算基準
23 消費課税2:燃料課税とたばこ課税
24 資産課税1:固定資産税と都市計画税
25 資産課税2:自動車税と軽自動車税
26 独自課税1:超過課税と森林環境税
27 独自課税2:法定外税と宿泊税
28 2学期のまとめ1:地方税原則と地方税体系
29 2学期のまとめ2:日本の地方税制度
30 2学期の要点確認
第1学期は地方財政の現状と課題を概観したうえで、政府間機能配分と政府間財政移転の基礎理論を学ぶ。第2学期は地方税に焦点を当て、地方税原則と地方税制度の関係について掘り下げる。

授業方法

全部で12のトピックを2回ずつに区切って講義する。また、基礎知識の定着を目的としてトピック毎に小テストを行う。

準備学習

余剰分析、無差別曲線分析、ラグランジュ乗数法、ナッシュ均衡など、ミクロ経済学の基礎知識を予め復習しておくこと。また、各回の終了後、講義内容について1時間以上の復習を行い、次の講義や小テストに備えること。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):30%
第2学期(学年末試験):30%
小テスト:40%
小テストと学期末試験については、採点後に問題ごとの正答率や得点分布を授業内で伝える。

教科書

教科書は特に指定しない。

参考文献

佐藤主光『地方財政論入門』(経済学叢書)、新世社2009年、ISBN=9784883841332
持田信樹『地方財政論』、東京大学出版会2013年、ISBN=9784130421409

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

小テストは授業の冒頭で行うため、遅刻をすると受けることができない。