生産システム
022-B-240

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
河合 亜矢子 教授 4 2~4 通年 2

授業概要

企業活動において生産の立場から経営全体を向上させる知恵としての生産システムの意義を理解します。市場のグローバル化や顧客ニーズの多様化により競争激化が避けられない中にあって、より安く、より良い製品を生産するために、生産システムの果たす役割はますます重要性を増しています。本講義前半では、身近な材料を通して企業活動における生産システムを考えることで、今ある現実に対して常に問題意識を持つ心、改善点を発見する目を養います。さらに後半では、“システム”という視点からより戦略的に生産システムを捉えます。つながり、相互作用、価値変換などを意識して、サプライチェーン・マネジメント、サービスといった統合的視野から生産システムを考えます。

到達目標

第1学期は、生産システムのしくみ全体を俯瞰した上で、生産マネジメントの代表的な手法を習得することを目標とします。第2学期は、顧客へのサービスを含めたサプライチェーン全体を意識することが個々の企業経営の持続可能性に大きく寄与するということを理解し、全体最適の視点を養うことを目標とします。

授業計画

1 オリエンテーション:身近な生産システムを知る
2 生産計画と統制のシステム:生産システムを理解するフレームワーク
3 需要管理
4 在庫管理
5 生産と調達の計画(1):部品構成表と部品展開
6 生産と調達の計画(2):資材所要量計画(MRP)
7 生産と調達の計画(3):MRPの演習問題とMRPⅡ
8 現場管理(1):生産プロセスとスケジューリング
9 現場管理(2):生産性と作業改善
10 品質管理
11 カイゼンと小集団活動〜様々な企業事例を通して〜
12 トヨタ生産システム
13 日本のモノづくりと中小製造業の今、これから
14 まとめ
15 予備日
16 ここまでのハイライト
17 “システム”としての生産:生産システムの全体最適を考える
18 サプライチェーン・ゲーム(1):サプライチェーンの複雑さを知る
19 サプライチェーン・ゲーム(2):サプライチェーン戦略を考える
20 ゲームの振り返りとサプライチェーン・マネジメント(SCM)の概念
21 サプライチェーンをコントロールする困難さとSCMの基本構造
22 SCMを企業事例から学ぶ(1):国内のSCM先進事例
23 SCMを企業事例から学ぶ(2):グローバル企業のSCM先進事例
24 価値創造のSCM
25 モノづくりからコトづくりへ:サービスの視点から生産システムを考える
26 サービスシステムの基本概念
27 サービスの効率と効果
28 サービスの可視化と設計
29 まとめ
30 予備日

授業方法

講義形式を中心とし、必要に応じて、グループワークなどの演習を交えて行います。
ゲスト講師を招くこともあります。

準備学習

事前に配布資料を読んで、興味を持った点などについて調べておくこと(約30分)。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):40%(各学期末課題に対する評価)
第2学期(学年末試験):40%(各学期末課題に対する評価)
レポート:20%(各学期に数回課すレポートに対する評価)
その他、普段の授業の中での発言や参加度などを加味して、積極的に加点していく。

参考文献

Silver,E.A. Pyke,D.F. and Peterson, R., Inventory management and production planning and scheduling, 3rd Edition, Willey, 1998, ISBN:0471119474
Vollmann,T.E, Berry,W.L, Whybark,D.C, Jacobs,F.R.『Manufacturing Planning and Control Systems for Supply Chain Management』第5版、Mc Graw Hill2005年、ISBN=007144033X
人見勝人『入門編・生産システム工学』第4版、共立出版2009年、ISBN=4320081722
その他、適宜提示する。