演習(3年生)
自分で見抜く企業組織・戦略―
022-B-300

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
和田 哲夫 教授 4 3 通年 3

授業概要

 企業経営を独自の視点から分析する力を養成します。優れた企業経営には「アート(芸術)」の要素がありますが、それを感じ取るとともに「サイエンス」の力で分析すること、そのための基礎「スキル」を培うこと、の3つの要素を身につけてもらいます。
 経営学にとって、統計やICTツール、会計知識、語学など、それぞれのスキルは重要なので、どれも強くなっておくことは有益です。ぜひ勉強しましょう。スキルはクリエイティブになるための道具として必要ですが、クリエイティブに使おうとすれば(実際に使おうとすれば)自然とスキルも身に付きます。
 過去にこの演習の参加者は自由に活動し、その人にしか見つけ得ない発見をし、深く分析し、発表を行い議論し、ときにはビジネスを生み出して来ました。演習時間での発表や議論をコアタイムとして、独自に深められるだけ深め、知識と見通しを広げるだけ広げ、面白いプレゼンをしましょう。そして、本当に独自なものを生むため、共同作業の力が有効であること、また先人の知恵の深さも感じましょう。
 他大学のゼミとの合同発表会を例年行ってきています。それも目標とし、また他大学の異なる発想に触れて議論を楽しみましょう。

到達目標

(1)経営学の理論枠組み・手法を理解し、現実にあてはめ、鋭く絞り込んだ問題提起を行えるようになること。
(2)アンケートやインタビュー・既存統計の分析や、財務諸表・市場データ分析など、実証方法の設計と実行ができるようになること。
(3)収集した資料を分析し、研究成果をとりまとめて部外でのプレゼンテーションもできるようになること。
(4)自らの研究を行うことだけでなく、他人の研究発表を理解し、建設的な批判を積極的に行えるようになること。
(5)現実に経営に関わっている社会人に積極的にコンタクトし教えを請い、特に事業提案については現実性について厳しい評価・アドバイスをもらいながら、同時に現実のビジネスに批判と改善の目をもてるようになること。

授業計画

1 目標及び進め方についての参加者による議論
2 テーマ設定方法に関する議論
3 資料収集方法に関する説明: データベース、ウエブ・スクレイピング
4 情報収集方法の説明: アンケートにはクラウドとSNSという味方がいる
5 情報収集方法の説明: インタビューのアポをとろう
6 研究報告について(1): 問題設定はスタートでありゴールでもある
7 研究報告について(2): 仮説設定
8 研究報告について(3): 各種グラフ
9 研究報告について(4): 比較の基準
10 研究報告について(5): 平均、標準偏差、相関
11 研究報告について(6): 原因と結果
12 研究報告について(7): ケース記述
13 研究報告について(9): ひるがえって先行研究を探す
14 学期総括
15 フィードバック
16 テーマ設定に関する見直し
17 検証手法に関する議論
18 グループ発表・討論
19 データ整理
20 クロスセクション、時系列、パネルデータ
21 t検定
22 頑健な標準偏差
23 質的な選択の分析
24 イベント分析
25 サバイバル分析
26 傾向スコア
27 ケース記述と一般化
28 学外研究発表会
29 総括
30 フィードバック
他大学との共同発表会・討論も行う予定。

授業方法

文献講読、発表、討論。

準備学習

この演習(3年生)の研究計画案やチーム作りは、実質的には前年度の2年生の後半から始まっており、開始前から少しずつ準備をしていくことが求められています。3年生の年度内は、標準的に学期あたり2回の発表が基本となり、今までも各参加者は勉学、インタビューやアンケート、分析データセット準備や解析、はたまた新しいビジネスプラン策定などに相当の時間を投入しています。 「常日頃考えていること」が準備として実は非常に大切で、逆にいうと「常日頃考えていたいことを研究テーマにする」ためにアイディアを探していくということを大事にして始めます。準備学習時間、というのは、準備すべき内容が決まってから合理的に考えればいい話で、追いかける対象が決まるまでがもっとも大事なところです。つまり準備学習時間を特定しても意味はないので表示しません。

成績評価の方法

レポート:30%(発表成果物をレポートとして評価)
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):40%(出席を前提とした議論の積極性を重視)
研究発表準備における試行:30%(調査作業など発表準備のための投入労力の量と質)

履修上の注意

履修者数制限あり。
第1回目の授業に必ず出席のこと。