美術史講義
中近世絵画の主題とイメージ―
031-A-233

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
佐野 みどり 教授 4 2~4 通年 3

授業概要

主に日本の中・近世絵画を対象に、物語、景観、人事風俗、思想、和歌の切り口で、個々の作品がどのようなフレームをもち、何を描こうとしているのか、そしてそれらの作品からイメージがどのように切り出され他の造形に運ばれていくのかを辿っていきます。作品の生成と享受を、互いに共有しあい変成する<イメージ>の軸から考えていくことが狙いです。イメージがどのような文化文脈を形成し、作品相互がどのように関連しあっていくのかを考えていきます。

到達目標

日本の中近世美術の主題や表現について、その多様性と共通性を知り、どのような流れが形成されているのかを具体的に把握する。美術作品の見方や分析力が深まり、より豊かに作品の魅力を語る力を身につけることができる。

授業計画

1 物語を描く(1)
2 物語を描く(2)
3 物語を描く(3)
4 物語を描く(4)
5 物語を描く(5)
6 風俗を描く(1)
7 風俗を描く(2)
8 景観を描く(1)
9 景観を描く(2)
10 風俗を描く(3)
11 風俗を描く(4)
12 風俗を描く(5)
13 景観を描く(3)
14 景観を描く(4)
15 まとめ
16 思想と造形(1)
17 思想と造形(2)
18 思想と造形(3)
19 思想と造形(4)
20 思想と造形(5)
21 縁起の世界(1)
22 縁起の世界(2)
23 縁起の世界(3)
24 縁起の世界(4)
25 縁起の世界(5)
26 メディアの交差(1)
27 メディアの交差(2)
28 メディアの交差(3)
29 メディアの交差(4)
30 メディアの交差(5)
全体で6つのテーマを設定していますが、その順番は、展覧会などの出品作品との兼ね合いで変更することがあります。

授業方法

テーマ毎に参考文献表を配布します。できるだけそれらの参考文献に前もって目を通しておくことが望まれます。授業は、毎回配布する授業内容のレジュメと資料の解説とパワーポイントによって進めていきます。毎回授業終了後、ミニレポート(リアクションペーパー)を提出してもらいます。

準備学習

予習:まえもって配布した資料をもとに、授業で取り上げる作品の画像を探し確認しておくこと。
復習:授業内で推薦した展覧会等を見に行く。(年数回)

成績評価の方法

レポート:60%(論点の明確さ)
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):40%(毎回提出のミニレポート、授業への参加姿勢
毎回提出のミニレポート)
レポートでは、授業を契機に考えたことを自分のことばで語ることが期待されますが、論理を構築するためには、先行研究に対する真摯で丁寧な検討が必要です。また毎回提出の、ミニレポートでは、授業をいかに理解し、またそこから何を考えたかを見ていきます。

参考文献

佐野みどり・新川哲雄・藤原重雄編『中世絵画のマトリックス』、青簡舎2010年、ISBN=9784903996295
佐野みどり・加須屋誠・藤原重雄編『中世絵画のマトリックスⅡ』、青簡舎2014
『日本絵画全集全20巻』、講談社1990-93
『正・続日本絵巻大成』、中央公論社
その他、各テーマ毎に、授業内で参考文献表を提示します。

その他

積極的に美術館や博物館等で作品を実見することを望みます。