西洋史特殊講義
西欧中世世界の成立と教会―
032-A-203

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
杉崎 泰一郎 講師 2 2~4 第1学期 4

授業概要

ローマ帝国のキリスト教公認からカロリング期フランク王国の時代にかけて、王侯と教会とが密接に関わりながら 独自の社会、文化、価値観を形成していったことを学ぶ。

到達目標

キリスト教が公認された古代末期から、西ローマ帝国の崩壊とゲルマン諸国家の成立(とくにメロヴィング朝フランク王国)を経て、カロリング期の「西ヨーロッパ再統一」にいたる歴史を、聖俗権威の関わりに着目して理解する。

授業計画

1 オリエンテーション
本講義の目的と概要 
2 ローマ帝国におけるキリスト教の拡大
キリスト教の拡大、迫害、公認について
3 コンスタンティヌス帝とローマ帝国のキリスト教化
ローマ帝国の変質とキリスト教の浸透
4 キリスト教のガリア布教
西ローマ帝国の混乱期に、修道士や司教によってガリアにキリスト教が伝播
5 クローヴィスの洗礼の背景と意味
メロヴィング朝フランク王国はクローヴィスの洗礼によってローマの後継者へ
6 メロヴィング朝フランク王国の拡大と教会
ローマ人の司教はメロヴィング朝フランク王国の統治に貢献
7 メロヴィング朝の王妃と教会
クローヴィス妃クロティルドをはじめ、王妃の多くは教会保護にとりくむ
8 カール・マルテルと新たな時代
イスラム勢力の拡大に対応したフランク王国の実力者カール・マルテル
9 ピピンの即位とローマ教皇
カロリング朝フランク王国の成立と教皇の権威による正当化
10 カール大帝とキリスト教帝国の成立
キリスト教帝国を目指したカール大帝
11 カール大帝の皇帝戴冠
皇帝戴冠をフランク王国、教皇、ビザンツの相互関係から考察
12 カロリング・ルネサンス
ローマ文化とキリスト教文化と宮廷
13 カロリング期の修道院
修道院は王侯の寄進で豊かになり、社会、文化、経済の中心となる。
14 カロリング朝の分裂
ルートヴィヒ敬虔帝とその後の帝国三分割
15 まとめと総括

授業方法

講義形式

準備学習

講義の配布資料をよく読み直しておくこと(約1時間)

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):80%(授業内容を十分理解して、設問に的確に答えていること)
平常点(クラス参加、グループ作業の成果等):20%(授業末にショートレポートを提出し、授業の習熟度を確認する)