日本文学演習
源実朝『金槐和歌集』の世界―
033-A-115

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
神田 龍身 教授 4 2~4 通年 2

授業概要

昨年に続いて、『金槐和歌集』を読む。昨年は秀歌の多い「雑歌」を取り上げ、六一九番歌まで読んだが、本年は六二〇番歌から始める。「雑歌」は六六三番歌で終わるので、その後は、「春・夏・秋・冬歌」「賀歌」「恋歌」「旅歌」の中から秀歌を選んで読む。『金槐和歌集』は、暗殺された鎌倉三代将軍源実朝(一一九二~一二一九年)の歌集である。その歌を一首ずつ読むことで、将軍が歌を詠むことの、すぐれて実朝的な意味について考えたい。

到達目標

和歌集を読むことへの抵抗感をなくすことが最大の目標である。

授業計画

1 源実朝の人生についての概略的説明。
2 昨年の『金槐和歌集』の授業について概説する(1)。
3 昨年の『金槐和歌集』の授業について概説する(2)。
4 学生による発表(雑歌)と質疑応答(1)。
5 学生による発表(雑歌)と質疑応答(2)。
6 学生による発表(雑歌)と質疑応答(3)。
7 学生による発表(雑歌)と質疑応答(4)。
8 学生による発表(雑歌)と質疑応答(5)。
9 学生による発表(雑歌)と質疑応答(6)。
10 学生による発表(雑歌)と質疑応答(7)。
11 学生による発表(雑歌)と質疑応答(8)。
12 学生による発表(雑歌)と質疑応答(9)。
13 学生による発表(雑歌)と質疑応答(10)。
14 まとめ。
15 到達度確認。
16 学生による発表(春歌)と質疑応答(1)。
17 学生による発表(春歌)と質疑応答(2)。
18 学生による発表(春歌)と質疑応答(3)。
19 学生による発表(夏歌)と質疑応答。
20 学生による発表(秋歌)と質疑応答(1)。
21 学生による発表(秋歌)と質疑応答(2)。
22 学生による発表(冬歌)と質疑応答。
23 学生による発表(賀歌)と質疑応答(1)。
24 学生による発表(賀歌)と質疑応答(2)。
25 学生による発表(恋歌)と質疑応答(1)。
26 学生による発表(恋歌)と質疑応答(2)。
27 学生による発表(旅歌)と質疑応答(1)。
28 学生による発表(旅歌)と質疑応答(2)。
29 まとめ。
30 到達度確認。

授業方法

一回の授業で、一人二首担当で、計四首のペースで進む。●現代語訳をつける。●本歌・参考歌にも現代語訳をつけて、実朝歌との違いを明確化。●気になる言葉があったら調べる。国歌大観CD・私家集大成CDを使用。●担当歌についての感想を述べる。

準備学習

授業では、一回に四首ずつ読んでいくが、当該歌だけを読んだのでは限界があり、各人なるべく早く『金槐和和歌』全体を通読しておくように。

成績評価の方法

レポート:50%
発表内容:50%
出席は必ず3分の2以上すること。レポートは約4000字。

教科書

『金槐和歌集』のテクストはプリント配布。

参考文献

●注釈書 『朝日古典全書『金槐和歌集』(斉藤茂吉、朝日新聞社)。日本古典文学大系『山家集 金槐和歌集』(小島吉雄、岩波書店)。『金槐和歌集全評釈』(鎌田五郎、風間書房)。新潮日本古典集成『金槐和歌集』(樋口芳麻呂)。新編日本古典文学全集『中世和歌集』(井上宗雄、小学館)。鑑賞日本古典文学講座『新古今和歌集 山家集 金槐和歌集』(角川書店)。鑑賞日本の古典『新古今和歌集 山家集 金槐和歌集』(尚学図書)。
●参考書 川田順『源実朝』(歴代歌人研究第八巻 厚生閣、1938)。大塚久『将軍実朝』(高陽書院、1940)。上田英雄『源実朝』(青悟堂、1942)。斎藤茂吉『源実朝』(岩波書店、1943)。小林秀雄「実朝」(『文学界』、1943)。吉本隆明『源実朝』(日本詩人選12、筑摩書房、1971)。中野孝次『実朝考――ホモ・レリギオーズスの文学』(河出書房新社、1972、中野孝次作品01、作品社、2001)。鎌田五郎『源実朝の作家論的研究』(風間書房、1974)。上田三四二『西行・実朝・良寛』(角川選書、1979)。志村士郎『金槐和歌集とその周辺』(桜楓社、1980)。志村士郎『東国文学圏の研究』(桜楓社、1986)。志村士郎『悲境に生きる 源実朝』(日本の作家21、新典社、1990)。今関敏子『『金槐和歌集』の時空』』(和泉書院、2000)。
●その他 国史大系『吾妻鏡』全四巻(吉川弘文館)。現代語訳『吾妻鏡』全一六巻(同)。小説 太宰治『源実朝』。五味文彦『吾妻鏡の方法』(1990・1、吉川弘文館)。

履修上の注意

履修者数制限あり。(50名迄名)
第1回目の授業に必ず出席のこと。