フランス語圏文化入門(広域文化)
036-A-203

担 当 者 単 位 数 配当年次 学 期 曜 日 時 限
福田 美雪 講師 4 1~4 通年 2

授業概要

 混迷する現代社会において、歴史と文化がどのように形成されてきたのか、いま一度過去に学ぶことが求められています。共和国フランスもまた、危機の時代を迎えていますが、だからこそ多様で混合的なフランス文化の成り立ちの歴史を振り返ることには大きな意義があるでしょう。
 この授業では、絶対王政の時代からフランス革命、一九世紀のブルジョワ社会、二〇世紀の二つの大戦など、近現代史を主に学びます。政治・社会・芸術文化など、相互に結び合うトピックを連続した流れの中でとらえ、現代フランス社会をつくりあげた歴史的背景を捉えることを目指します。

到達目標

 フランス近現代史の流れを把握し、主だった政治的・社会的・文化的事象を相互に関連付けて理解することができる。また、現代社会をめぐる諸問題を、歴史的背景を踏まえて分析、説明する力をつける。

授業計画

1 イントロダクション
2 ヴェルサイユの光と影(1)
3 ヴェルサイユの光と影(2)
4 フランス革命の衝撃(1)
5 フランス革命の衝撃(2)
6 ナポレオンとその時代
7 ガストロノミーの誕生
8 「モードの国」フランス
9 よみがえった王政
10 民主と元首の相克
11 フランスの絵画(1)
12 フランスの絵画(2)
13 近代都市パリのまちなみ(1)
14 近代都市パリのまちなみ(2)
15 前期のまとめ
16 「ベル・エポック」から第一次世界大戦へ(1)
17 「ベル・エポック」から第一次世界大戦へ(2)
18 両大戦間期の社会
19 多彩な文学世界(1)
20 多彩な文学世界(2)
21 移民と外国人
22 第二次世界大戦下のフランス(1)
23 第二次世界大戦下のフランス(2)
24 「現代思想」の系譜
25 復興から新時代へ
26 知られざる工業大国
27 ドゴールの時代
28 文化遺産とツーリズム
29 ヨーロッパ統合とフランス
30 後期のまとめ

授業方法

講義は、教科書の該当する章をベースに展開し、適宜プリントを配布。また講義中にはスライドや映像などを使用します。

準備学習

 各回の前に、該当する教科書の章を読んでおくこと。また、関連文献は適宜授業内で指示するが、自ら興味のある範囲の参考文献を探すことが望ましい。

成績評価の方法

第1学期(学期末試験):40%(設問に対する正確な理解)
第2学期(学年末試験):40%(設問に対する正確な理解)
レポート:20%(授業を通して発見した問題点の分析力)

教科書

杉本淑彦・竹中幸史編『教養のフランス近現代史』、ミネルヴァ書房2015年、ISBN=9784623072712
各回の講義タイトルは、教科書の章題に対応しています。通史とテーマ史に分かれていますが、どの章も講義内容に関連しますので、事前に読んで歴史の流れを頭に入れておくこと。

参考文献

田村毅・鈴木雅生編『フランス文化読本』、丸善出版2014年、ISBN=9784621087466
パリの16のモニュメントを手がかりに、フランスの歴史と文化を読み解く本です。教科書と併せて読むと、講義の理解度が格段に深まるでしょう。

履修上の注意

第1回目の授業に必ず出席のこと。

その他

履修できるのは、フランス語圏文化学科の1,2年生のみ。但し、1,2年生以外でも「ゼミナール」を履修する資格のない学生は履修を認める。